訪問歯科診療

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訪問歯科診療のご案内

ご自宅・介護施設・病院で歯科診療が受けられます。

訪問歯科診療の流れ

1.ご準備物

(1)健康保険証と介護保険被保険者証をご準備ください。

(2)下記ダイヤルまでお電話ください。

2.ご訪問 ・検診

まずはお口の健康状態をチェックさせていただきます。

3.治療方針のご説明

一人ひとりに合わせた治療方法をわかりやすく丁寧にご説明いたします。

4.治療

ご本人様・介護者様にご了解を得られましたら治療を開始します。

5.定期検診

お口の健康維持のため、定期的に口腔ケアを行ないます。

訪問部へのご予約・お問い合わせはこちら

歯でお困りのことはごさいませんか?
訪問歯科なら自宅で治療できます。

歯周病治療

歯周病は全身疾患に繋がる可能性のある病気なので、早期発見・治療が必要です。

むし歯治療

むし歯は痛みを伴う疾患です。痛みの緩和から補綴治療まで、訪問先にて対応可能です。

抜歯

歯周病やむし歯が進行し、抜歯が必要な場合は、痛みの少ない処置を心がけています。

入れ歯治療

入れ歯が壊れた・合わない場合の修理や、新たに作成のご要望にも対応可能です。

口腔ケア

高齢者の方にとって口腔ケアは、様々な病気の予防にもつながる重要なケアです。

口腔リハビリ

栄養不足や体力低下による感染症等を予防するには、口腔機能の回復が有効です。

誤嚥性肺炎を防ごう

誤嚥性肺炎は高齢者の10人に7人がなると言われる肺炎です。誤嚥性肺炎を防ぐには以下の3つがポイントです。 ①食事の姿勢に気をつける
②食後2時間は体を起こす
③お口の清潔を保つ
訪問歯科ではこの③についての手伝いをプロの手で行うことでリスクを下げます。

口腔ケアで質の高い生活を

「口腔ケア」とは、お口の中を清潔に保つことで、口腔内だけでなく体全体の健康を保つケアのことです。 お口の健康を保つことで、要介護者様の「食べる、会話、笑顔」を増やし、病気の予防や口腔内のトラブルから守ります。

しっかり噛める事が健康の秘訣!?

食事が美味しくなる
お口が健康だと、健康の源である食事が楽しくなります。
病気の予防
お口が健康だと、健康の源である食事が楽しくなります。
若々しくなる
お顔の筋肉を使うことで口元のシワや弛みも緩和されます。
摂食嚥下訓練とは
口や喉を動かす訓練を行うことで、誤嚥を防ぎ、安全かつ快適な摂食状態を作ります。

訪問歯科の費用について

基本費用は保険診療となります。

健康保険

健康保険の一部負担金と同じ扱いになります。

後期高齢者

医療費の1割(または3割)が一部負担金となります。 医療費負担総額の上限を越えたものについては「償還払い制度」により、市町村から超過分の償還払いを受けられます。

障害者

各市町村の減免と同じ取り扱いになります。

介護保険

在宅の場合は居宅医療管理指導費が介護保険の適用 となります。

◆ 料金の詳細につきましては、訪問時にご説明いたします。

◆ 介護保険が適用されますが、ケアプランの対象となる限度額の「枠外」になります。

◆ 他の医療費も含めて、医療費控除対象となります。

対応エリア

私たちは大阪・兵庫で複数の医院がある医療法人で、相談できる、
痛みの少ない治療・親切な対応をモットーとした歯科医院です。

体が不自由なため、通院できない方のために、
歯科医師がご自宅や施設に伺って診療します。

※各医院を中心として半径16km以内が訪問可能です。

※訪問先(自宅・施設)の住所に応じて、お伺いできる担当医院をご案内いたします。

訪問部へのご予約・お問い合わせはこちら

【6/4はむし歯の日】歯科検診のご案内

むし歯から歯を守ろう

6月4日〜10日は検診強化週間

6月4日は6と4でムシバの日と言われています。当院でも6月4日〜10日までは「歯の衛生週間」として、特に検診や虫歯予防の啓蒙に力を入れています。

むし歯はなってしまうと歯を削るという2度と元に戻らない処置が必要な恐ろしい病気です。むし歯にならない、むし歯を小さなうちに退治するためにも、この機会に「歯の健康診断」を受けてみませんか?

当院では、6月4日〜10日を歯科検診強化週間として、皆様に広く歯の健康と検診・予防歯科の重要性を推奨しています。

期間 6月1日(火)~6月30日(水)
内容 虫歯健診 ※学校歯科健診の結果をお持ちの方は、ご持参ください。
費用 保険診療
実施医院 アップル歯科尼崎駅前
ご予約 WEB予約フォームはこちら
※虫歯健診希望の旨をお伝えください。

痛みはなくてもむし歯はある?

むし歯といえば、あの嫌な痛みを思い出す方もおられるのではないでしょうか。でも実は、初期のむし歯は痛みがないことがほとんどで、色も白っぽくてわかりにくい場合があります。

つまり、お子様が痛がる様子がないからといってむし歯がないということにはならいということです。

また、お子様自身がむし歯に気づく頃というのは、痛みが出ているかなり進行してまった状態です。ですから、お子様のむし歯を未然に防ぐためには、保護者の方の日頃のチェックと、年に数回の歯科での検診がお薦めです。

学校歯科検診の結果用紙をご持参下さい

学校検診では、歯を一通り見て「目視できる明らかなむし歯」がないか、歯の数や歯並び問題がないかをチェックします。しかし、むし歯の中には歯と歯の隙間にあるものや、詰め物や被せ物の中で進むむし歯もたくさんあります。それらを含めて、お口の健康状態をしっかりチェックするのなら、歯科での検診が必要です。

また、学校歯科検診で「要治療」「要観察」等の表記がございましたらそちらを重点的にお調べいたします。学校歯科検診の結果をご持参ください。

虫歯治療お早めに

むし歯は進行して治療が必要となると、歯を削るという処置が必要になります。「乳歯だから生え変わるし」と思っておられるのなら要注意。

乳歯のむし歯は次に生えてくる永久歯にも大きな影響を及ぼします。ですからやっぱりむし歯は早期発見・早期治療が要です。そのためにもまずは一度検診で、お子様のお口の健康状態を確認しましょう。

お子様のお口の健康を守る正しいケアを

アップル歯科の歯科検診ではむし歯や歯周病のチェックだけではなく、「歯科保健指導」と言って、歯磨き指導や食生活指導なども行っています。お子様ごとの歯磨きの出来ている部位、出来ていない部位、得意不得意を見極めて、しっかり磨けるようにお手伝いします。

また、将来的に歯科嫌いにならないように、痛くない検診や予防で歯科に通う習慣を身つけていただくことも可能です。まずは検診から、お子様の未来のお口の健康を一緒に考えていきましょう。

痛みを抑える工夫

歯医者は痛い場所と思っていませんか?

なぜ歯医者は嫌われるのか

歯科の治療にはどんなイメージがをお持ちでしょうか。「怖い」「痛い」「音が苦手」・・・。など嫌なイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。「歯医者に通うのが好き!」という方の方が少数派なのは我々歯科医院側もわかっていることです。歯科が好きになれない最も大きな理由は「痛み」にあると思います。痛いから怖い。痛いから音だけで痛みを連想してしまう。「痛み」は人間の体が刺激を脳に伝える危険信号です。危険を感じたら回避をしたくなるのも人の本能ではないでしょうか。ですから歯科は「回避したい場所」なのかもしれません。

しかし、逆に考えれば痛みがなければ歯科ももう少し通いやすい場所になるのではないでしょうか。アップル歯科ではそう考え、痛みを抑えた治療や痛みに対する配慮を行うことで、患者さんが「痛くないかも」と思っていただけるような治療や取り組みに力を入れています。

麻酔の「チクリ」を緩和する表面麻酔

歯科での治療において、むし歯を削ったり、詰め物をつけたり、歯を抜いたり、時には歯石をとる時にも痛みを伴うことがあります。むしろ、痛くない処置の方が少ないかもしれません。そもそも、病気の治療なのでどうしても身体に侵襲のある処置が必要になってくることは避けることができません。それがまだ子供の頃に治療の痛みを記憶し、トラウマとなっている人の中には、歯科恐怖症という歯科が怖くて治療を受けることができない方もいるくらいです。そのため、歯科では治療中の痛みを消失するために麻酔をします。しかし、麻酔は注射器を用いて行うため、針を刺すとちくりとした痛みを感じます。このチクッとした痛みが苦手な方もおられれば、その後麻酔液が軟組織内に入ってくる感覚が苦手な方もいらっしゃると思います。

当院では、これらの痛みを緩和するために、注射器を用いて麻酔を行う前に表面麻酔という塗るタイプの麻酔を針を刺す部分に塗布します。この表面麻酔は塗り薬と同じように使用するので、使用時に痛みを伴いません。当院で使用する表面麻酔にはアミノ安息香酸エチルという成分が含まれています。この成分には浸潤麻酔時の痛みを消失する効果があることがわかっています(※1)。

粘膜の表層の部分が痺れて感覚がなくなってから麻酔を行うことで、針を刺す痛みが出にくくなるため、針を刺した瞬間やその後少量の麻酔液が入ってくる時の痛みを和らげることができます。

浸潤麻酔の痛みの軽減

痛みを感じにくくするための工夫として、表面麻酔だけではなく、麻酔の針の太さや麻酔をする方法にも気をつけています。局所麻酔を行う時に痛みを感じるのは、針が粘膜を貫く時の痛みと、薬液が組織を押し分けて浸潤していく時の圧力、薬液の組織刺激による痛みに分けられます。粘膜を貫く時の痛みに関しての対策として、針の太さ、粘膜の緊張の度合いによって対応しています。当院で使用している注射針は、35ゲージと言われる直径0.2mmの注射針です。これは注射で使う針の中ではかなり細いもので、痛みを感じにくいように先端が鋭くなっています。通常点滴などに使用される針で26〜27ゲージ(0.4〜0.45mm)の針ですから、それから比べてもかなり細いものであることがわかります。
糖尿病患者さんがインスリンを注射するため、痛みに配慮されて開発されたものが33ゲージの針で、35ゲージの針は数字が大きくなっていますがこれよりも細いものになります。皮膚の中に入るものですからもちろん細いほうが侵襲も低いです。0.03mmというわずかな違いですが、そのわずかな違いを少しずつ集めることで、ちょっとでも患者様の痛みを抑えることが私たちアップル歯科の取り組みです。

浸潤麻酔の効かせ方について

麻酔をする部分には刺すと痛い場所、刺しても痛みを感じにくい場所があります。可動性粘膜といって、引っ張ると動く粘膜の部分は比較的痛みを感じにくく、逆に、可動性のない固い部分の歯茎に針を刺すと痛みを感じやすいです。そのため、初めに麻酔を行う時は可動性粘膜に麻酔を行うことで痛みを感じにくくしています。

また、麻酔を行う時には粘膜を引っ張ります。これは、粘膜が張り、緊張している方が麻酔の針を刺入する時に痛みが出にくくなるためです。薬液が組織を押し分けて浸潤していく時の圧力に対しては、麻酔を行うスピードで対応しています。麻酔液を入れていく時には、始めの麻酔が効いていない時に大量の液が入ると痛みを伴いやすいため、初めはゆっくり、麻酔がある程度効いてくると徐々にスピードを上げていきます。麻酔を一本分入れるのに約2.3分かけます。

麻酔は人や部位によって効きやすかったり効きにくかったりします。効きにくい場合は、多めに麻酔をしたり、もっと歯に近い部分から麻酔を行うことでしっかり麻酔を効かすことができます。どうしても麻酔が効かず、痛みが出る場合は、伝達麻酔といって歯の感覚や周りの骨や皮膚の感覚を司る神経の束に直接麻酔を効かすことで、痛みを感じないようにすることができます。以上のような工夫をすることで、治療に対する痛みを麻酔によって消失させます。しっかり麻酔を効かすことができれば、ほとんどの治療において患者様が耐え難いような痛みを与えないよう配慮しています。

味覚・臭覚・聴覚・視覚へのアプローチ

歯医者の治療時に、痛みの他に気になるのが臭いや音です。歯医者独特の薬品の匂いや「キーン」という音、これを感じることで「痛み」を連想してしまう方もおられます。そこで当院では、アロマオイルによる臭いの緩和や、音が苦手なかなに対しては音楽プレーヤーの貸し出しを行っています。もちろんお口に入るものはなるべく舌につかないようにすることで味覚を刺激しないようにしたり、味や匂いが強いものを使わないように選別しています。また、治療時には患者様からのご要望がないかぎりタオルによる目隠しを行っています。これは患者様のプライバシーに配慮する意味や、お顔が汚れないように、または患者様の目線が迷わないようにするためです。ただし、人は視覚を奪われると他の感覚が強くなります。ですからアップル歯科では一つ一つの処置ごとに「何をします」とご説明することで、患者様が安心して歯科医師にお口の治療をお任せいただけるよう配慮しています。

この記事の編集・責任者は歯科医師の田中 公之です。
Dr田中

歯周病治療

歯周病とは

世界最大の感染症

歯周病は、ギネスブックにも掲載されたことのある世界で最も感染者の多い感染症です。日本では、30代以降では約5割以上の人が罹患していると言われており、最も多い歯を失う原因でもあります。

歯は胃や小腸・大腸に代表される消化器系器官の付属物ですので、失うことは食物の消化に関して多大な影響を与えます。歯は他の臓器と同じく、失うと二度と元には戻りません。そんな私たちの歯を最も多く奪う病気が歯周病ということです。

虫歯の場合、大きくなり始めると痛みを伴うため気づいた時点で治療をすることが可能ですが、歯周病は痛みを伴わず進行することがほとんどです。気付かないうちに進行して、気付かないうちに歯が残せなくなります。大切な歯を守るためには、気付くよりも前に未然に防ぐ必要がある病気です。

細菌が多く繁殖した口腔内は、虫歯や歯周病を進行するリスクが高まります。

歯周病進行の流れ

健康な状態

歯肉溝 0.5~2mm

健康な歯茎

歯周病になっていない状態では、歯肉は薄いピンク色をしており引き締まった状態です。

ステージⅠ

歯周ポケット 4mm以内

歯肉炎

歯肉にプラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊が付着し歯肉が炎症を起こし始めます。この状態になると歯ブラシで出血することもあります。

ステージⅡ

歯周ポケット 5mm以内

軽度の歯周病

歯肉の炎症がさらに大きくなり歯周病菌が歯周組織に侵入し、歯を支えている歯が破壊され始めます。

ステージⅢ

歯周ポケット 6mm以上

中等度の歯周病

炎症がさらに拡大し、骨の破壊も深くまで進んでいます。歯周ポケットも広がりプラーク、歯石がポケット内に多く沈着しています。

ステージⅣ

歯周ポケット 6mm以上

重度の歯周病

歯の周りの骨が半分以上破壊され支えがなくなった歯はもうグラグラになります。咬合性外傷という咬み合わせの問題も生じることもあり治療も困難な状態です。

歯の脱離

歯周ポケット なし

歯の脱離

歯周病が進行しきると、歯が抜けてしまったり、抜歯が必要な状態になってしまいます。1本抜けることで周りの歯も支えを失うため、他の歯も抜けやすい状態になります。

歯周病の特徴

よくある歯周病の症状

  • 口に中がネバネバする
  • 歯茎が赤く腫れている
  • 歯磨きをすると血が出る
  • 歯茎が下がってきた
  • 歯茎が痛む、かゆみがある
  • 口臭が気になる
  • 歯がグラグラする
  • 硬いものが噛みにくい
  • 歯茎から膿が出る
  • タバコを吸う

心当たりはありませんか?2つ以上当てはまれば注意が必要です、一度検査を受けることをおすすめします。

歯周病のチェック

歯周病でリスクが高まる病気

歯周病は歯の周りの組織を犯すだけではなく、全身にも影響を及ぼすことがわかっています。例えば歯周病菌が出す毒素が血液中に入り、心臓や肺に入りこみ全身疾患を引き起こすとも言われています。代表的なものだけでも以下のものがあげられます。

  • 糖尿病
  • 誤嚥性肺炎
  • 心疾患
  • 早期低体重児出産・早産
  • 高血圧
  • メタボリックシンドローム
  • がん
歯周病に関わりのある病気

歯周病の検査と治療

歯周病治療はどんなことをするの?

歯周病検査

歯と歯茎の隙間のポケット(歯肉溝)の深さを測ったり、歯や歯ぐきの内側を触って状態を確認します。

歯周ポケットの深さや出血などから 歯周病の進行程度や炎症の有無が分かります。

歯周病検査

顕微鏡検査

歯の表面に付着しているプラーク(細菌の塊)を取り、顕微鏡にて映像をみてもらいます。細菌の数、種類、大きさを確認する事が出来ます。

おおまかな虫歯菌・歯周病菌の多さも判別できるため、より効果的なケアを行えます。

顕微鏡検査

歯磨き指導(TBI)

歯肉の状態や歯垢の付着から普段の歯磨き状況をチェックし、どこが磨けてないかお伝えします。

セルフケアが良いお口の状態をキープできる最も大切な要素ですので、頑張って習得できるようにしていきましょう。

歯磨き指導

歯周病治療

今までの検査やお口の中の状態から今の歯周病の段階を判断し、どれくらいの回数がかかるかお伝えします。コミュニケーションを大切にしながら、痛みの少ないよう治療を進めます。

基本的には歯石の除去やクリーニングで口腔内の菌をコントロールしていきます。歯石や歯茎の腫れは一回の治療で取り除くことは難しい場合もあります。歯石は歯の表面(見えている所)にも沈着していますが、歯肉の中(見えない所)にも沈着します。

そのため、人によっては回数がかかる治療となることはありますが、患者様と相談しながら治療していきますので不安などありましたら、気軽に歯科衛生士に相談してみてください。

歯周病の治療

歯周病の予防方法

定期検診で歯周病から守る

歯周病は歯の喪失原因第一位の病気です。(※1)そして歯を失うだけではなく、身体的な病気の原因になったり、その病気の悪化を促したり、口臭や見た目の問題にもなる複合的な要素をはらんだ病気です。気付かず進行することも多く、気付いた時に後悔する人はたくさんおられます。

歯周病にもっとも有効なアプローチは予防ですので、後悔しないためには定期的に検診を受けることが重要です。少なくとも1年以上歯科に通われていないのであれば、1度定期検診や歯周病の検査をご検討ください。

抜歯の原因のグラフ

※1)抜歯の主原因別の割合で最も多かったのは歯周病(37.1%)、次いでう蝕(29.2%)、破折 (17.8%)、その他(7.6%)、埋伏歯(5.0%)、矯正(1.9%)の順となった。

この記事の編集・責任者は歯科衛生士の森 美沙希です。
DH森

全部床義歯(総入れ歯)

全部床入れ歯(総入れ歯)について

全部床入れ歯とは?

全部床入れ歯とは、歯が全てなくなってしまった方が使用する装置です。一般的には「総入れ歯」と言われることが多いです。総入れ歯を使うことによって、失われた機能や形態、顔貌を回復するとともに、精神的ストレスを解消し、全身の健康とQOLを維持、向上させる役割があります。

総入れ歯は歯の役割を果たす「人工歯」と粘膜の上に乗るピンク色の「床」から構成されています。部分義歯の場合は、残っている歯に金属を引っ掛けて固定しますので、この床が小さくてすみますが、総入れ歯の場合は、すべての歯を支える必要があるため、床の面積も広くなります。

歯がなくなるとどうなるの?

①噛めなくなる
歯がなくなってしまうと、歯で噛みきれなくなるので、柔らかいものしか食べられなくなります。
②飲み込みづらくなる
嚙み切りにくくなるため、口の中で食べ物を小さくできないので、食べ物が大きいまま飲み込まなくてはいけなくなります。これが原因で消化不良となったり、柔らかいものしか食べなかったりすることで、必要な栄養分が取れなくなります。ゆくゆくは、痩せてしまったり、病気になったり、全身の健康に影響が出ることがあります。
③喋りにくくなる
声を出す際、「歯」「口蓋(上顎)」「舌」「口唇」「下顎」を使って声を発しています。片方の顎の歯が全てなくなってしまうことによって、この中の「歯」と「口蓋(上顎)」または「下顎」がなくなってしまうため、喋りにくくなります。
④顔が歪んでしまう
歯がなくなると、顔のシワが増え、口唇が薄くなり、鼻の下から顎先までの距離が短くなります。入れ歯を装着することで、シワが減り、口唇は厚くなり、若々しい印象になります。

歯を失うと日常生活のあらゆるところに支障をきたしまします。最初は「1本ぐらいなくても」から始まって、その1本が引き金となり2本、3本と抜け落ち、「気がつけば全ての歯を失っていた」という方も多くおられます。それでも気にされない方もおられますが、歯がなければ食事を楽しむこともできませんし、会話も億劫になってしまいます。それを少しでも緩和してくれのが入れ歯という選択肢です。

入れ歯がないと…
見た目にも問題が…

歯がない状態

入れ歯装着

全部床義歯のメリット・デメリット

総入れ歯はメリットもあればデメリットもある治療です。

メリット デメリット
● 保険が適用になるため費用を抑えられる。
床や人工歯の種類や素材はは選べませんが、健康保険を使った治療が可能です。全ての歯を失っても、大きく費用がかかることはございません。
● 違和感が大きい。
手の平ぐらいの人工物がお口の中に入るので、違和感を感じる方は多いです。まずは1日数時間ずつの利用から初めて、慣れることが大切です。
● 適応される症状が多い。
歯ぐきが痩せていても、歯が残っていても、ほとんどのケースで適応可能な治療と言えます。
● 食事がはさまりやすい。
入れ歯と歯ぐきの間に食物が挟まることもあり、食事の度に洗浄が必要な場合もあります。
● 着け外しが可能。
取り外しが可能ですので、違和感が強いときや痛いとき、就寝時などは取り外して保管することが可能です。
● すぐに合わなくなることがある。
入れ歯は、歯ぐきの後退などお口の中の環境が変わっても合わなくなりますし、保管方法を間違えて変形して合わないこともあります。
● 治療のリスクが少ない。
薬剤の使用や外科処置(抜歯を除く)等もありませんので、治療中のリスクが少なく失敗の少ない治療です。
● 手入れが必要。
入れ歯は手入れを怠ると、匂いを伴ったり変形・破損することもあります。また、入れ歯には、カンジダという真菌が繁殖しやすいこともわかっています。入れ歯洗浄剤等を使ったこまめな手入れが必要です。

入れ歯は装着してからが大切な治療です。

入れ歯治療は完成した入れ歯をもらったら治療終了ではありません。新しい靴を買ったら靴擦れをするように、新しい入れ歯を着けたら、どこかに口内炎ができたり、お痛みが出たりすることはよくあります。

義歯調整の平均回数は、男性で約4回、女性で約5回と言われています。もちろんこれ以上かかる方もいれば、1回で終わる方もいます。しかし、新しい義歯を作った方の多くが2回以上の調整を歯科医院側にお願いしているということです。義歯ができたら自分のお口にきちんと合っているか、直してほしいところはないか、しっかり確認し、調整を行っていきましょう。

また、その入れ歯を使い続けることが最も重要です。使わずに乾燥させてしまえば変形してしまいますし、装着していない期間もどんどん歯槽骨(歯を支えていた骨)は吸収され、口腔内の状態は変わっていってしまいます。ですから義歯をもらったら、毎日の装着とお手入れをきちんと行っていきましょう。

※1)義歯の調整回数は平均4.4±1.8回(男性3.8回,女性4.9回)であった

この記事の編集・責任者は歯科医師の内藤 詩です。
Dr内藤

歯科口腔外科

当院の歯科口腔外科について

歯科口腔外科分野の治療

当院では歯科口腔外科分野の治療においても幅広く対応しています。顎や骨格の問題についても歯科用CTによる診断が可能な上、その他大学病院等との連携なども行っておりますので、どんなお口の悩みに関してもまずは相談にお越しください。

また、現在特定機能病院等の大きな病院に紹介状なしで受診すると、診察料のほかに特別な料金が必要となります。大きな病院に行く前に当院をご利用いただくことで、専門性や高度な医療の必要性に応じて適切な医療機関へ紹介させていただくことができます。

歯科口腔外科の種類

  1. 智歯(親知らず)の抜歯

    通常の親知らずの抜歯から、骨の中に埋まっている難易度の高い抜歯まで対応しています。ただし、抜歯に伴う入院が必要な場合や、麻痺などの後遺症が考えられる場合においては、入院施設等のある大学病院などにご紹介させていただきます。智歯の抜歯の判断にはCTを使用し精密な診断の上術式やご紹介先などを検討致します。

  2. 口腔内のできもの(腫瘍)

    なかなか治らない口内炎やジュクジュクした出来物など、口腔がんの可能性があるものなども診察可能です。検査に置いては当院でも可能ですが、検査キッドを取り寄せ、生検などの期間を考慮すると、患者様自身に大きな病院で検査を受けていただく方がメリットが大きいため、そちらをお勧めすることが多くなります。

  3. 全身管理

    糖尿病や骨粗症状など、重度の身体的な持病をお持ちの方も、医科の先生と連携を取りながらの治療が可能です。

  4. 顎関節症

    顎のお痛みやクラック音(異音)、違和感など、顎の不調やお悩みに関しても臨床実績がありますのでご相談下さい。スプリント等による治療も行っております。

  5. インプラント治療

    歯が抜けた後の治療法の一つで、顎に歯の代わりにチタンを埋入する欠損補綴です。外科を伴う処置で、当院が特に力を入れて習得している治療の一つです。アップル歯科ではICOI指導医の院長の元、全てのドクターが専門的に学んでいます。CTや滅菌設備、生体モニターなど、必要な機材ももちろん揃えています。

  6. 骨折などの外傷

    転倒等によりお口周りを受傷された際に、骨折の精査・歯の整復固定・裂傷の縫合等を行います。受傷度合いが大きい際には専門病院へのご紹介を行います。

舌のお悩み・口内炎について

舌も歯医者にご相談ください

舌のできもの・口内炎・お痛みなど、「もしからしたら悪いものかも」「口腔がんだったらどうしよう」というお悩みや、「歯じゃないけど歯医者でいいのかな?」と、何科にかかれば良いのかわからないという方も多いようです。

舌のお悩みについても、まずは歯科・当院にご相談ください。例えば「舌ガンかな?」と思っても大半は口内炎で数週間で何事もなかったかのように治ることがほとんどです。しかし、数%程度は舌ガンの疑いがある方もおられます。ですから当院では、2週間以上治らない出来物に関しては受診を推奨しています。

舌ガンの診断には大学病院などの大きな病院での検査が必要です。しかし、おそらく舌ガンでないものや、逆におそらく舌ガンの可能性が高いものを見分けることは可能です。最近では、大病院(大学病院などの特定機能病院や病床数500以上の地域医療支援病院)で診察を受ける場合、選定療養費として初診時5,000円(歯科は3,000円)が必要となります。ですから、まずは当院にお越しいただき、検査の必要性がある疾患であれば、紹介所を持って大病院にかかっていただくことが患者様の負担も小さくなると考えられます。

また、その他何もなくても舌が痛いという「舌痛症」に関しても診断・治療・紹介を行っております。舌のお悩みもお気軽にご相談ください。

舌ガン

口内炎

この記事の編集・責任者は歯科医師の田中公之です。
DR田中

小児の治療

お子様に対する治療について

お子様の治療に対する考え方

できる限り痛みを伴わない治療

無視せずお子様のペースで

虫歯にならないための予防歯科

POINT1

できる限り痛みを伴わない治療

お子様にトラウマを持たせない

大人になっても歯医者の治療が苦手な方はたくさんおられます。お子様はもっとそうです。子供の頃に受けた歯科治療の痛みはトラウマに繋がります。そしてそのトラウマは大人になってもけることはなく、「歯科に通えない大人」になってしまうことも少なくありません。ですからアップル歯科では、お子様の治療においてまず考えるのは「できるだけ痛いという思いをさせない」治療を心がけています。

アップル式 痛みを感じさせない工夫

表面麻酔でチクっと軽減

麻酔をするときに1番痛いのは、針が刺さるときです。針を刺す部分に表面麻酔をすることで、針を刺したときのチクっとした痛みを減らすことができます。

超細の針の使用

太い針を刺すのと、細い針を刺すのではもちろん太い針の方が痛いということはわかると思います。当院では35ゲージという日本で使用される最も細い針を使用しています。

痛みを感じにくい場所への刺入

お口の中には、痛みを感じやすい部分と、感じにくい部分があります。痛くない部分を狙って麻酔することで、針を指すときの痛みを抑えることが可能です。

ゆっくり麻酔液を注入

麻酔液が急激に体の中に入ってくると、風船のように皮膚が圧迫されるため、お痛みを感じてしまいます。当院では、適切なスピードで、ゆっくり麻酔液を注入していくことで痛みを抑えます。

針をみせません

子供はとても好奇心旺盛で、目から入る情報にとても敏感です。麻酔の針を見てしまうと、恐怖心を覚えるので、使う直前にこっそり注射器を出し、終わったらすぐに片付けることで恐怖心を与えません。

おしゃべりしながら楽しく

雰囲気にもとても敏感で、歯科医が怖い雰囲気で麻酔をしようとすると、雰囲気を察して嫌がります。当院では、お子さんとお話をしながら、お子様がリラックスしたタイミングで麻酔を行います。

POINT2

無理せずお子さんのペースで安心な治療

お子様にとって歯医者では初めてのことがたくさんです。また、大人と違い「治療しないともっと虫歯が大きくなって、さらに悪くなってしまう」ということがわからないので、“ガマン”ができません。一般的に3歳頃から理解ができるようになると言われていますが、個人差はあります。つまり、お子さんは、痛ければ嫌がるのが当然なのです。そこでアップル歯科では、仲良し治療を行なっています。

治療ができるようになるために

まずは練習から始めよう

保護者の方からすれば「早く治療をしてほしい」と思われるかもしれませんが、子供が嫌がっている段階で、すぐに歯を削ることは避けています。まず、治療の器具を見て、触って、少しずつ練習をしていきます。治療ができると判断できたら、初めて治療を行います。

褒める治療

どれだけ歯医者が苦手な子でも、何か一つはできることはあります。「お椅子に上手に座れたね」「お口が開けられたね」どんなことであれすかさず褒めて、お子さんの成功体験につなげます。ですから親御さんにも、たとえ治療ができなかった日でも歯医者に来たことを褒めていただくことをお願いしています。歯医者が褒められる場所ん変わることで、治療ができるようになるかもしれません。

TSD法

T(tell=伝える)、S(show=見せる)、D(do=する)の略です。この順番で治療を進めることで、上手に治療できる子がたくさんいます(※1)。すべてのお子様に有効な治療ではないですが、大人と同じように何をどうするかを教えてあげることで、それを理解し、受け入れるお子様もある一定数は存在します。

モデリング法

誰かがやっているのを見て、マネをする、という方法です(※2)。お子さんはマネが大好きで得意です。マネをする相手は誰でもいいです。おうちであれば、お父さんが歯磨きをしているのを見て、一緒に歯磨きする。歯医者さんなら、お母さんがユニット(歯医者の椅子)に寝転ぶのを見て、一緒に寝転んでみる。ぬいぐるみの歯磨きをしてあげる、などなんでも結構です。

※1)児歯科診療室においては,小児の行動を歯科医師の都合の良いように変容するのではなく,歯科医師側がまず,Tellshowdo法(TSD法)やModeling法な ど種々の技法の中から,その小児にあった変容法を選択し,それによって無理なく小児の適応性を向上させることが必要である。

※2)ロバの診療を観た小児からは笑みがこぼれることもあり、不安が取り除かれていた。また実際の治療でも、モデリング法を行うまでは頑として開口しなか った小児が楽に診療が出来るようになった。

POINT3

虫歯にならないための予防歯科

きてしまった虫歯を治すことはとても大切です。しかし、厳密にいえばこの治療は「再生」ではなく「修復」です。腕を怪我したとしても、皮膚は再生して「復活」しますが、歯はそうは行きません。虫歯になって削った部分は再生はしないため、歯ではないプラスチック(コンポジットレジン)や金属、セラミックを代わりに詰めるしかないのです。お子様のお口の中に人工物が入るのは、親御さんにとっても不本意なことだと思います。しかし、それをしなければむし歯が再発したり、痛みが出るなどもっとお子様が可愛そうなことにもなりかねます。虫歯になってからの治療よりも、虫歯にならないための予防が大事なのです。

アップル式 お子様の歯をむし歯から守る方法

フッ素で歯を強く

フッ素には「歯を強くする」「むし歯菌の活動を抑える」「初期虫歯を再石灰化する」という3つの効果があります。歯磨き粉はフッ素配合のものを選んで使用しましょう。お家で使える歯磨き粉のフッ素濃度と、歯科医院で使えるフッ素濃度は違います。両方を併用することで、より歯を強くすることができます。

むし歯になりやすい溝を埋める

お子様の歯の溝は大人に比べて深いと言われています。溝が深ければ深いほど、そこに汚れがたまりやすいのは想像出来るかと思います。この溝をお薬で詰めることで、溝を浅くしてむし歯になるのを予防することができます(※3)。溝にお薬を詰めることをシーラントと言います。

甘いものの制限

甘いものはむし歯菌のエネルギーですからむし歯菌を活発にしてしまいます。甘いものを上げたい気持ちはわかりますが我慢してください。ただし、お子様は一度に食べられる食事量が少ないので「補食」という意味でおやつの時間は必要です。ビスケットや煎餅、牛乳や麦茶を組み合わせておやつを楽しみましょう。

パパママの仕上げ磨き

お子さんに自分で歯磨きをしてもらうことはとても大事なことです。しかしこの目的は、歯を綺麗にすることではなく歯磨きの習慣をつけることなのです。綺麗にするのは保護者の方のお仕事です。毎日1回は仕上げ磨きをしてあげてください。嫌がるお子さんに対しては短時間で効率よく行うことが大切です。ぜひご相談ください。

歯の定期検診

子供の歯を見ようと思っても「子供は暴れるし、奥の方は見えないし、よくわからない。」というお悩みもよくお伺いします。その時、頼って欲しいのが歯科医院です。私たちは、歯を磨いたり、虫歯を治療したりするプロです。お家での仕上げ磨きの仕方のアドバイス、お子さんに向けての歯磨き指導もさせていただきます。

※3)シーラントは,萌出直後の幼若永久歯に使用され,小窩裂溝をシーラント材で填塞することにより齲蝕誘発性の口腔環境から歯質を遮断し,齲蝕予防の効果を発揮している。

※4)小児本人の清掃効果に比べ、保護者による仕上げ磨きの清掃効果は全ての歯ブラシに認められ、特に併用式、反転式電動歯ブラシで高い効果が得られた。

この記事の編集・責任者は歯科医師の内藤 詩です。
Dr内藤

乳歯の生える順番とお子様の歯の健康

お子様の歯を健やかに育てるために

その歯、いつ生え変わるか知っていますか?

歯が生え変わる時期の目安

お子様の乳歯は20本あり、おおよそ3歳ぐらいになると生えそろっていることが多いです。個人差はありますが乳歯の生える順番としては、A乳中切歯→B乳側切歯→D第一乳臼歯→C乳犬歯→E第二乳臼歯という順番と言われています。

歯式 名称 萌出時期
A 上:乳中切歯・下:乳中切歯 上顎10ヶ月頃 下顎7ヶ月頃
B 上:乳側切歯 下:乳中切歯 両顎:12ヶ月頃
C 第一乳臼歯 両顎:1歳10ヶ月頃
D 第一乳臼歯 両顎:1歳4ヶ月頃
E 第二乳臼歯 両顎:2歳6ヶ月頃
「子供の歯は抜け落ちるから良い」は危険

虫歯があるけど、「どうせ抜け落ちる」からとそのままにしていませんか?子供の歯は確かに抜け変わります。ですが、この考え方は本当に危険です。歯によっては、12歳ごろまで生えています。また、乳歯の下には永久歯が控えています。お子さんのむし歯が大きくなると、永久歯の形が悪くなったり、変色した歯が生えてきたりする可能性が高くなります。

また、乳歯も永久歯と同じく食物を「噛む」ということがもっとも大きな役割です。この「噛む」という動作を繰り返すことにより、顎が正常に発達し、歯並びや顔の形を形成していきます。つまり、むし歯ができたり抜歯することで変な噛み方が癖づいてしまうと、歯並びや顎・顔の形にまで影響することも考えられます。しっかり噛めるようになるためにも、乳歯を守ってあげるのはお母さん・お父さんの役割です。

第6臼歯を大切に

乳歯とまぎれて、1番奥に歯が生えてきます。6歳前後の時に生えてくるので、6歳臼歯と呼ばれています。この歯は永久歯なので、大人になってもずっと使う歯です(※1)。すごく大切なので、特に大事にしましょうね。

もちろん、この歯以外の全ての歯も大切です。あくまでポイントとしてご理解ください。臼歯とは「奥歯」のこと。大人になっても、奥歯がしっかり噛み合っているかどうかは、咬み合わせを考える上でとても重要な役割と言えます。

※1)参考文献

この記事の編集・責任者は歯科医師の内藤 詩です。
Dr内藤

お子様の歯並びについて

気になる子供の歯並び

あなたのお子様の歯並びは?

大人になるにつれ、気になり始める歯並びの問題。そんな時期を経験したからこそ気になる我が子の歯並び。お悩みになっている方も多いと思います。

歯並びが悪い状態を歯科では「不正咬合」と言いますが、不正歯列になる原因は大きく分けると2つあります。

  • 先天的な不正咬合…遺伝によるもの、骨格的な問題
  • 後天的な不正咬合…習癖(くせ)によるもの、顎の発達によるもの

この後天的な不正咬合に対しては、親御さんの協力や歯科医師の介入により歯列の悪化を防いだり、改善する事が可能です。それではどのような習癖(くせ)や特徴が、お子様の歯並びを悪くするのでしょうか?

不正咬合の種類

叢生

ガタガタに並んだ歯並び

上顎前突

上あごの前歯が前に出た歯並び

下顎前突

下あごの前歯が上あごの歯より前に出た歯並び

開咬

前歯が噛まずに奥歯だけで噛む歯並び

過蓋咬合

深い咬み合わせ、下の前歯がほぼ見えない歯並び

交叉咬合

上下の歯列がどこかで交叉した歯並び

後天的な不正咬合の原因「口腔習癖」

以下の内、いずれかに当てはまるような癖・状態があれば、不正咬合になる可能性は否めません。心当たりがありましたら、一度お子様のお口の状態を確認してみましょう。

  • 口が常に開きっぱなし(ポカン口)
  • ずっと指しゃぶりをしている
  • 爪を噛む癖がある
  • 唇を噛んだり、吸ったりする癖がある
  • 口元が緊張している
  • 舌を出す癖がある
  • 歯ぎしりをよくする
  • 姿勢が悪い
  • よく鼻が詰まっている
  • 歯が斜めに生えている
  • よく転ぶ
  • 良く噛まずに食べる
  • 顔が歪んできている

もちろん、これらの特徴が見られるからといって100%不正咬合になるわけではありません。しかしその可能性は高くなるということです。気になる場合は一度歯並び検診をご受診ください。

指しゃぶりやポカン口、舌の癖などを総じて「口腔習癖」と呼びます。当院では口腔習癖には口腔筋機能療法(MFT)というお口や顎の筋肉のトレーニングを、あごの発達のお手伝いには歯列育形成というあごの拡大を行うことではを並べる小児矯正をご提案することもあります。その際はお子様の歯並びや将来に渡るお口の健康のことを考え、一度カウンセリングにてしっかりお話を聞いた上でお子様の歯についてご相談頂ければと考えます。

指しゃぶり

ポカン口

爪を噛む

小児矯正で子供の歯はどう変わる?

大人と違いお子様はまだ成長途中ですので、あごの成長をコントロールしつつ歯を並べることができます。例えば、顎が小さいお子さんは顎の大きさを大きくすることができます。つまり骨格を変える(良い方に導く)ということにもなります。現在医療において、骨格を変える治療というのはほとんどありません。

しかし成人してしまうと、あごの成長もとまってしまうので、あごを広げることはできません。そのため大人になってからの矯正の多くは、歯を並べるスペースを確保するため、健康な歯を一本抜かざるを得ないこともあります。

小児矯正をしたからといって、100%成人矯正(抜歯矯正)が必要なくなるわけではありません。これは小児矯正の失敗ではなく、その患者様個人の限界であることが多いです。しかし、成人矯正が必要ではなくなる可能性と、必要になったとしても抜歯矯正を免れる可能性は高くなります。小児矯正については医院によって「するべき」という医院もあれば「しない方が良い」という判断も分かれる治療です。当院では歯1本の価値を考えるなら、お子様の将来のことを考え、お話させていただくようにしています。

タイプ別:不正咬合治療の時期と方法

がたがたさんタイプ

現代は、顎が小さいお子さんが多く、小さな顎に歯が並びきらない子がよくいます。大人になるにつれて、顎が大きくなり、結果的に歯が綺麗に並ぶことも稀にありますが、ほとんどの場合、大人になってもガタガタのままです

お子様の歯並び治療なら

小さなベンチ(顎)に歯がギュウギュウに乗っかっています。

6〜10歳ぐらいの場合は、ベンチ(顎)を大きくして歯を並べます。

大人の歯並び治療なら

成長が止まってから歯を抜いて、ベンチ(顎)に並ぶ歯の数を減らします。

小さなベンチ(顎)に少ない歯が並ぶので、永久歯の数は少なくなります。

早期に矯正を行うことで、顎の大きさ自体を大きくすることができるので、歯を抜かなくて済むことがあります。あまりに顎の大きさが小さい、または歯の大きさが大きい場合は、小児矯正を行った後、成人矯正に移行する場合もあります。一度ご相談ください。

顎が小さい出っ歯さんタイプ

顎が小さいために、並んで生えた歯がスペースを確保しようと前に突出してしまいます。いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態になってしまいます。このタイプは小児矯正による治療がとても効果的なタイプといえます。

顔貌の特徴

このタイプは、大人になるとこのように口先が尖って見えたり、顎が引っ込んで見えるような顔貌になることが多いです。

成人になってから矯正をする場合、歯を抜かないといけなくなる場合が多いです。子供のうちに矯正を行っていれば、歯を抜かずに歯並びが綺麗になることが多い症例です。矯正を始めるタイミングは5〜6歳以降となります。12歳を越えると成人矯正の扱いとなるため、顎の成長を使った小児治療はできなくなります。

受け口さんタイプ

下の顎が大きく、噛み合わせが逆になっている状態です。この噛み合わせのお子様は、できるだけ早い矯正治療が必要になります。他のタイプのお子さんと違い、自然に治る可能性がほぼなく、むしろ悪化して行きやすいのが、このタイプの特徴です。

顔貌の特徴

顎が前に突き出したり、大きく成長してしまう場合があります。滑舌にも影響が現れることが多い咬み合わせです。

受け口のまま大人になってしまうと、治療しようと思っても外科手術を伴った矯正をしなければ治らない場合もあります。このタイプの咬み合わせは、早くから矯正を始めれば手術をしなくてもよくなる可能性が高くなります。目安としては3〜4歳から矯正を始めるのがベストです。お子様が「受け口かも?」と思ったら早めにご相談ください。

小児歯科に関するQ&A

小児歯科についてのよくある質問

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Q.母親にむし歯が多いと、子どもにもむし歯は増えますか?
A.赤ちゃんはお母さんのお腹の中で育ちますので、歯並びや唾液の性質、歯の硬さなど、遺伝することがあります。そのため、お母さんにむし歯が多いとお子さんにも多くなることがあります。
また、生まれた後も家庭で甘いものを多く食べる傾向があったり、歯磨き回数が少なかったりする傾向があるとむし歯が増えることがあります。そのため、妊娠中から歯科検診を受けてお口の環境を整えること、生まれた後は家庭の環境から見直していくことをおすすめします。
Q.歯ブラシはいつからしたらいいですか?
A.歯が生えたら、歯磨きを始めましょう。
コレだけは抑えたい!赤ちゃんのハミガキ!
1.毎日する…単純です。短時間でもいいので、毎日しましょう。
2.ブラシは小さいもので…赤ちゃんの小さい歯を、大きいブラシでは磨けません。赤ちゃん用の歯ブラシの中でも一番小さいものを使うことで、効率的に磨くことができます。
3.たくさん噛ませてあげよう…赤ちゃんは、歯ブラシをガシガシ噛みます。噛むことで、歯ブラシに慣れ親しむためです。たくさん咬ましてあげて、潰れたら新しいものに変えてあげましょう。
Q.子どもが歯磨きを嫌がるのですが、良い方法はありますか?
A.嫌がる子には、できるだけ短い時間でやってあげましょう。
どうしても磨けない場合は、今日は右下だけでも、明日は左下だけでも、というように毎日磨く場所をクルクル変えていきましょう。ポジションは、お子さんのお顔を足の間に挟み、お子さんの腕の上に足を乗せると歯磨きしやすいです。そうすることで、お子さんのお顔が動きにくくなるので、ササっと磨くことができます。ぜひお試しください。
お子さんがハミガキを嫌がるのは良くあることです。なぜなら、お口の中の感覚が大人より敏感だからです。しかし、赤ちゃんがお水が平気になってお風呂に入れるようになるように、歯磨きも根気よくやっていけばいつかは乗り越えられます。今だけだと思って頑張りましょう。
Q.他の子よりも歯が生えるのが遅いのですが、大丈夫ですか?
A.歯の生えるスピードは約2年くらい個人差がありますので、全く気にしなくて良いです。ただ、欠損歯といって歯が生まれつき少ない子もいます。その場合はいくら待っても生えてきません。その場合、特別な処置が必要になることがございます。レントゲンを撮らなければわかりませんので、ジッと立った状態でレントゲンが撮れる3歳以降にレントゲンをお撮りして診断を受けてください。
Q.歯科検診で歯並びが悪くなるかもしれないと言われました。今何かできることはありますか?
A.歯並びが歩くなる原因は、生まれつき顎が小さいなどの要因もありますが、指しゃぶりや舌癖、お口がポカーンと開きっぱなし、など後天的な要因も多くあります。こういった癖はなるべく早く治した方が良いです。
また、「歯並びが悪くなるかも」と言われた方で大事なのは、矯正を始めるタイミングです。小児矯正を始めるタイミングは7〜8歳が目安ですので、それまでにどんな矯正を行うのか、歯医者さんに相談しておくことが大事です。
Q.他の歯科でインプラントを考えているのですが、そちらにも相談に行っても良いですか?
A.お気軽にお越しください。ただし、セカンドオピニオンの場合は自由診療として費用を5,000円(税込5,500円)を頂戴しております。その後当院で治療をされる場合は治療費から差し引きさせてたいだきます。
この記事の編集・責任者は歯科医師の内藤 詩です。
Dr内藤

入れ歯の注意点

入れ歯を装着された患者様へ

入れ歯の手入れについて

入れ歯の管理には、ホームケア(患者様自身が行うこと)とプロフェッショナルケア(歯科医師や歯科衛生士が行うケアのこと)があります。入れ歯は装着したら終わり、ではなく、装着後の管理がとても大事です。

「入れ歯が合わなくなった」と言う声を聞いたことはありませんか?これは単に咬む力で変形してしまった場合や落下や取り扱い不良による変形であることもありますが、実は加齢やお薬による骨の退縮・変形が原因であることも考えられます。いずれにしても、合わなくなった入れ歯を使っていると口腔内を傷つけたり、何より咀嚼や発音に問題が生じることもあります。

ですから入れ歯は定期的にチェックや調整を行う必要があります。では、日常的に入れ歯を使う上で、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。

装着後の入れ歯調整

入れ歯を使用されたことがある患者様はお分かりだと思いますが、初めて着けたときは、ご飯が食べづらい、痛い、喋りづらい等、違和感を訴えられる患者様が多くいます。そういった場合、入れ歯調整が必要になります。これはホームケアでできるものではなく、プロフェッショナルケアの領域です。ご自身では入れ歯を削ったり磨いたりしないでください。

もし今ご使用の入れ歯に違和感がある方は、我慢せずに医院までお問い合わせ下さい。

清掃方法

不潔な状態の義歯を使用していると、誤嚥性肺炎のリスクが高まってしまいます。2009年の調査では、肺炎は日本人60〜80代の死亡原因の4位、90代以上では2位となっています(※1)。 入れ歯用ブラシと洗浄剤を使って、入れ歯を綺麗に保ちましょう。入れ歯を落とさないように、水を張った洗面器の上で行うと、入れ歯を落として破損させる心配がないのでオススメです。洗浄剤には、ブラシで落とせない着色やプラークを除去できる効果があります。

※1)肺炎 死亡数112004名 死亡率89.0% 割合9.8% 全体の第4位

入れ歯の取り扱い

入れ歯専用の容器による保管をお願いします。入れ歯は乾燥に弱く、乾くと変形する場合があります。入れ歯を使っていない間は、専用容器にお水や洗浄剤を入れてその中で保管するようにしましょう。ティッシュにくるんだり、机の上に置いておいたりすると、誤って捨ててしまうことがあります。

場合によっては担当医から、入れ歯をつけたままでの就寝を指示させていただくこともあります。わからない場合は、お気軽にお尋ねください。

プロフェッショナルケア(定期検診)による管理

長期間使用していくと、人工歯が咬耗したり、表面が粗造になってきたりします。また、入れ歯と接している歯肉やその下にある骨も経年的に吸収してくることで、適合が悪くなることがあります。

そのままにしておくと、さらに歯肉に炎症が起こったり、さらなる骨吸収が引き起こされてしまいます。

歯科医院では微妙な調整や簡単な修理など、即日で対応可能なこともたくさんあります。不具合がなくても、気づいていない破損や変形があるかもしれません。こういったことを避けるために、プロフェッショナルケアが必要なのです。

食事の仕方

最初の頃は柔らかいものなど食べやすいものを選んで食べましょう。片方ではなく、両方の奥歯で噛むようにしてください。また、総入れ歯の患者様は、骨吸収のリスクが高いので(※2)、できるだけ前歯で噛みちぎるのは避け、奥歯で食べるようにしましょう。

なかなか噛むことがなれない場合は、小さく切ったり細かくするなど、入れ歯でも咀嚼することが可能になる場合があります。手間はかかるかもしれませんが、噛むことで顎の筋肉を使い、認知症予防にも繋がります。しっかり噛むための工夫を心がけましょう。

また、食事の際は唾液の分泌を心がけて下さい。唾液を出すことで、消化作用や抗菌・洗浄作用が促され、咀嚼を補助してくれたり、口腔内の粘膜を保護する働きもあります。

※2)顎堤の状態は,下顎は上顎よりも「悪い」が多かった.口蓋隆起は79%下顎隆起 は 29%,臼後隆起前縁部の骨吸収は26%でみられた.顎堤のアンダーカットは切歯部にみられた.

着脱の仕方

入れ歯をつけるときは、少し水分をつけてから装着するようにしましょう。部分入れ歯をつけるときは、装着方向に沿って無理な力をかけず、噛み込まないようにしましょう。外すときも同様に、無理な力をかけないようにしてください。

総入れ歯を外す際は、前歯部分を少し押し込み、吸着を外した状態で入れ歯を取り外してください。

着脱の仕方は、入れ歯装着時に担当医からご説明していますが、わからにくいところや忘れてしまった場合はお気軽にお尋ね下さい。

この記事の編集・責任者は歯科医師の内藤 詩です。
Dr内藤

部分床義歯(部分入れ歯)

部分床義歯による歯の欠損治療

部分床義歯とは

部分床入れ歯とは、歯が数本なくなってしまった場合に使用する装置です。歯を失ったあとの治療法には、義歯(入れ歯)・ブリッジ・インプラントの3つが主な選択肢となりますが、義歯(入れ歯)の一番の特徴は、ほかの治療と違い患者様ご自身で自由に取り外しができるということです。歯科医院では義歯・部分床義歯(ぶぶんしょうぎし)と呼びますが、日常的には「入れ歯」と呼ぶことが一般的です。

部分床義歯は他の欠損補綴と違い、人工の歯だけでなく、歯を支える義歯床と呼ばれる歯の土台や、義歯が外れないように健康な歯にひっかけるクラスプというワイヤーなどから作られます。けっその補綴の治療の中では、最も多くの装置が入る治療と言えます。そのためはじめは違和感を感じる方も多い装置ですが、概ね3ヶ月ほど着けていくとある程度は慣れることが多いようです。

入れ歯のメリットとデメリット

入れ歯のメリット

噛めるようになる
他の欠損補綴治療よりも治療期間が短いことが多く、咀嚼力は落ちるものの「噛む」という機能を取り戻すことが可能です。
見た目が改善される
歯の隙間に補綴が入るため、金属の部分や針金が見えることがありますが、欠損部分の目隠しになります。
発音の改善
欠損部分の空隙から空気が漏れることを防ぐことができるため、空気が漏れるような発音の障害が改善されます。
保険が適用される
一般的な欠損補綴で入れ歯・ブリッジ・インプラントのうち、保険が適用されるのは入れ歯とブリッジです。3割負担の方でおおよそ5,000円〜13,000円程度の治療費になることが多いです。
取り外しが可能
違和感や痛みを感じることがあるものの、取り外しが可能なため痛い時は取り外すことが可能です。また、取り外して洗浄できるため口腔内より容易とも言えます。ただし長時間外していると変形の原因にもなるので注意が必要です。

入れ歯のデメリット

違和感が大きい
入れ歯の大きさは小さくても親指程度のサイズとなります。また、お口の中で多少動いたり、外れることがあるため、違和感を感じます。
噛みづらい
入れ歯は噛むたび、若干沈み込みます。そのため顎に力を入れて噛んでも食物が噛みちぎれないこともあります。入れ歯の満足度を調べたアンケートでは食べられる食品の数が満足度を下げる要因になっていたことがわかっています(※1)
う蝕(むし歯)のリスクが高い
入れ歯には人口歯、義歯床、クラスプなど、たくさんの部品が付いています。そういったことにより、口腔内に菌が増えてしまい、むし歯の原因になることがあります。
義歯性口内炎
入れ歯の表面に付着するカンジダと呼ばれる真菌によって、口内炎ができやすくなると言われています。抵抗力が落ちている高齢者であれば、カンジダ症が原因で肺炎になることもあります(※2)。
審美性が低い
歯がない状態よりは見た目は改善されますが、天然歯が生えそろっている状態に比べると金属部分が見えたり、歯ぐきと床の境目が見えることもあるため、見た目を気にされる方には自由診療の義歯や他の治療が適切です。

※1)義歯の満足度が不良な群では食べられる食品の数が有意に少なかった

※2)義歯装着者では口腔カンジダ症が多いと考えられていたが,近年の報告では,義歯装着者が口腔カンジダ症になりやすいわけではなく,義歯清掃が十分行われていないことによって口腔カンジダ症に罹患するものと考えられている

入れ歯の治療例

治療内容臼歯部欠損により、咀嚼障害を訴えている患者に対し、臼歯部に義歯の装着、その他のカリエスに対し、補綴のやりかえを行った。

期間約4ヶ月(13回)

費用義歯、レジン前装冠×4歯 約45,000円

リスク 突然このような大きい義歯を装着すると、違和感が大きく出ます。義歯の存在により舌のスペースが狭くなり、呼吸がしにくくなったり、前歯舌側面に下が当たり、発音がしづらくなったりすることがあります。

入れ歯を入れないとどうなる?

入れ歯は歯の移動を防止します。

実際に治療の現場では、「抜けたのは奥歯だから見た目わからないし、歯がなくなった今でも、全然噛める」と言われる方、とても多いです。しかしこれが危険です。確かに歯が数本なくなっても、噛めないことはありません。しかし、そのほったらかしにしている間に、お口の中では少しずつ変化が起こっています。

歯を失ってしまうと、両方の隣の歯が、なくなった部分を埋めようとして倒れこんできます。また、咬み合わせの反対側の歯も、なくなった部分を埋めようとして伸びてきます。これが進行すると、その後歯がなくなったところに入れ歯などの治療をしようと思っても、周りの倒れてきた歯あ邪魔で治療が困難になります。そうなると治療回数も増えてしまい、費用もその分かかってしまいます。歯が抜けた後の治療が大切なのはそのためです。早めの治療介入をお奨めします。

この記事の編集・責任者は歯科医師の内藤 詩です。
DH内藤

歯の定期検診

歯の定期検診について

「歯の検診」行ってますか?

皆さん歯医者にはどれぐらいの間隔で通っていますか?歯が痛い、しみる、見た目が気になるといった症状を持って歯医者に行く方もまだまだ多いかもしれません。しかし、2016年の日本歯科医師会の調べによると、1年間に検診が目的で歯科を受診された方は44.6%だったそうです。つまり日本人の2人に1人近くが検診を利用されたということです。

しかし、やはり半数以上は痛くなるまで治療にいかないという方になると思います。そして、治療し終わり気になるところが解決すると歯医者から遠のき、また同じような症状が出た時に通うという歯が悪くなるループを辿っているのかもしれません。そもそも、歯の治療というのはほとんどが削ったり詰めたり、神経を抜いたり、最悪の場合歯を抜いたり、治療とはいうものの自身の身を少しずつ失っていくものです。一度治療すると二度とはもとに戻りませんし、治療した歯は再発リスクや歯の寿命が縮まることもあります。ですから、悪くなる前にチェックする歯の検診は、治療する頻度を下げる効果的な方法です。

※1)この1年間に 1 回以上、「歯科医院もしくは病院の歯科でのチェック」を受けている人は 44.6%、「学校や企業で、歯や口の中の状態をチェックしている」人は 4.0%、「自治体(都 道府県や市区町村)で行っている歯科検診」を受けている人は 1.6%。これらのいずれかの 検診・健診を受けた人は全体の約半数(49.0%)にあたります。

定期検診は最高の予防法

当院では、定期検診の大切さを、治療やカウンセリングを通して患者様にお伝えしております。どれだけいい治療をして、歯を白くしたり、汚れを取り除いても、それが維持できなければ治療した意味は半減されます。一度良くなったお口の中の環境を、末永く維持することも定期検診の大きな役割です。悪くなりかけていないかを調べることで、むし歯や歯周病で治療が必要になる前に対処したり、汚れがついてきているところはセルフケアの指導を行ったり、歯科衛生士が除去することでお口の環境をいい状態に保つ事が出来ます。

これを続けることで、むし歯や歯周病にのリスクを下げることができ、歯を削ったり抜いたりする治療から遠ざけることに繋がります。また、3〜4ヶ月に1度はチェックしていれば、万が一治療が必要になっても、最小限で済むことも多々あります。

定期検診の目的は「悪いところを見つける」わけではなく「悪くならないようにする」ことです。今からでも遅くはありません。歯医者を悪くなったら行くところではなく、悪くならないために行くところへと、考え方をシフトしてみませんか?

定期検診の内容

定期検診ではお口の中に以上がないかを確認し、取り残した歯の汚れや付着した歯石の除去なども行います。

むし歯の検診

治療した歯はメインテナンスをしなければ劣化や予後不良を起こすことがあります。歯と詰め物や被せ物の接着面に段差ができ、その隙間からむし歯が再発したり、気づかないうちに破損していることもあります。定期検診では、新しいむし歯だけではなくこのような治療歯の状態や二次カリエス(むし歯の再発)の可能性についても調べていきます。むし歯の治療の繰り返しを予防します。

歯周病の検診

ブラッシングが上手くできていなかったり、歯石が沈着したままの状態が続くと、歯周病が進行します。検診時には歯周ポケットの深さや磨き残し・歯石の有無をチェックし、これらの除去は行いますが、根本的な解決法として患者様のブラッシングも重要になってきます。歯磨きが疎かになってしまうと、歯肉に炎症が出たり口臭の原因にも繋がります。定期検診でこのブラッシングの評価を繰り返し行い、患者様ごとの歯磨きの改善方法をお話します。セルフケア・プロケアの両面で歯周病の予防を図ります。

咬み合わせの検診

治療した歯が高くないか、しっかり咬み合っているかの確認を行います。しっかり咬めていても、歯ぎしりや食いしばりなどにより歯がしみたり歯肉が下がってしまうこともあるので定期的にチェックする事が大切です。

定期検診では上記のほか、患者さん自身が気になることをお伺いしたり、歯科医師や衛生士から見て気になることをお伝えすることで起こりうるお口のトラブルを未然に防ぐ対策を考えます。また、40歳以上の方は、口腔内や舌に出来物や以上がないかも確認します。歯科の定期検診で口腔がんや舌がんが早期に発見されることもあります。むし歯や歯周病、咬み合わせの問題以外でも、お口に関する未来のトラブルを防ぐためには定期検診は有効な手段です。

定期検診の頻度は年に3〜4回程度です。むし歯の治療なら小さなもので3〜4回、痛みを伴うようなむし歯となると1度の治療で5回以上は通院が必要となります。歯の痛みと治療の痛みに怖さを感じてお越しいただく5回よりも、笑顔でお話する年3〜4回の検診の方が、私たち歯科医院側にとっても嬉しい歯科の利用の仕方です。

健康保険のない海外では治療費が嵩むため、歯の検診を受けることが当たり前になっている国もたくさんあります。歯が悪くならないため、歯を失わないために、痛くなくても歯医者を利用する検診で、あなたも8020(80歳になっても20本の自分の歯が残っている状態)を達成しましょう。

この記事の編集・責任者は歯科衛生士の森 美沙希です。
DH森

【自由診療 費用】義歯治療

自由診療の義歯(入れ歯)治療

種類 説明 料金

BPSデンチャー
【全部床義歯】金属を使わない、「よく咬める」「痛くない」「外れない」「美しい」を目指したオーダーメイド入れ歯です。高い使用感を求める方にお薦めする義歯で、制作にはBPS専属の技工士が携わります。 オーダーメイド600,000円
税込660,000円
セミオーダー 400,000円
税込440,000円

金属床デンチャー
【全部床義歯】口の中の粘膜と密着する「義歯床」に金属を使用した入れ歯です。金属を使うことにより強度が増し、熱を通すためレジンの義歯より温度も感じやすくなります。 コバルト 260,000円
税込286,000円
チタン 350,000円
税込385,000円
プラチナ 570,000円
税込627,000円

ノンクラスプデンチャー
【部分床義歯】クラスプという義歯を固定する金属部分がない部分入れ歯です。クラスプを着けるための歯の切削も必要としません。クラスプによる歯の切削や、不快感が嫌な方にお薦めの義歯です。 少数歯 210,000円
税込231,000円
多数歯 400,000円
税込440,000円

コーヌスクローネデンチャー
【部分床・全部床義歯】茶筒のような構造で歯と義歯を固定する義歯です。クラスプの必要がなく、しっかりとした固定をしながら取り外しが可能な義歯になります。残存歯があることが条件となります。 500,000円
税込550,000円
※別途支台歯費用
支台歯1本 120,000円
税込132,000円

エステティック
それぞれの義歯(自由診療のもの)の見た目を、天然の歯肉や歯に近づける審美性を付与するオプションです。 200,000円
税込220,000円

メタル人工歯
人工歯(歯の部分)に金属を使用することで硬度を高め、咀嚼力を向上させます。 200,000円
税込220,000円

顎関節症の治療

顎のお痛みと治療について

顎関節症について

顎には関節があります。顎の関節を感じるには、耳の穴の少し前方を指で触りながら口を開けたり閉じたりしてみてください。硬いものが動くのを感じると思います。そこが、顎の関節です。顎の関節は顎関節(がくかんせつ)と言い、下顎の関節突起と呼ばれる部分の先端と、頭蓋骨の側頭骨にある下顎窩と呼ばれる窪みと、その前方にある関節結節で構成されています。そしてこれらの骨と骨が当たらないよう、間にクッションの働きをする関節円板という繊維性の軟骨が挟まれています。

この顎関節やその周囲の筋肉に異常が見られる時は、顎関節症(がくかんせつしょう)という病気の可能性があります。

顎関節症の症状

  • 顎の関節に痛みや違和感を感じる。噛むと痛みがある。
  • 食事など、粗諸悪をすると顎がだるくなる、噛みしめると痛い。
  • 口の開け閉めをすると音がなる。
  • 口の開け閉めをすると音がなる。
  • 口が開きにくい、顎を動かしにくい
  • 顎が外れることがある
顎関節症の分類

顎関節症は、原因によってⅠ~Ⅳ型までの大きく4つに分類されます。Ⅲ型はさらにaとbの二つのタイプに分けられます。

障害部位 障害部位
Ⅰ型 咀嚼筋 筋痛、運動痛、運動障害
Ⅱ型 顎関節靭帯・関節包 顎関節痛・顎の運動障害
Ⅲa型 顎関節円板・復位性 顎がカクカクなる・開口障害
Ⅲb型 顎関節円板・非復位性 開口障害・顎の運動時偏位
Ⅳ型 顎関節の変形 関節雑音、顎運動障害・顎関節の圧痛や運動時の痛み

また、これらの分類ごとに治療内容が異なってきます。

Ⅰ型の状態と治療法

Ⅰ型は、顎を動かす筋肉に原因がある場合です。
筋肉を押すと痛みが出たり、動かすと痛かったり、痛くて顎を動かしにくいなどの症状が出ます。発生原因はあまり明らかとなっていませんが、筋肉の中にある侵害刺激を感じる部分や、脳の痛みを感じる部分、痛みに対する対処能力が関連すると言われています。
対応としては、まずは安静にすること。(トレーニングなどして食いしばったり、無理に噛まない) 筋肉のマッサージや、口が開きにくい場合は開口訓練行います。また食いしばりにより筋肉が緊張した状態なのであれば、マウスピースを使うこともあります。

Ⅱ型の状態と治療法

Ⅱ型は、顎関節を包んでいる関節包や、滑膜が、外からのダメージ(打撲など)や、内側からのダメージ(無理な咀嚼、大あくび、歯ぎしりなど)によって損傷し炎症を起こしていることが原因となります。顎の関節が痛かったり、顎を動かしにくいなどの症状が出ます。

対応としては消炎鎮痛剤を服用して安静にする、マウスピースを使う、口が開きにくいのが改善しない場合は開口訓練を行います。

Ⅲ型は状態と治療法

Ⅲ型は、顎関節にある関節円板が開口時や閉口時に骨について行かず、骨の前や後ろにずれてしまう位置異常や、形態異常によりクッションの役割をはたせないときに起こります。 さらに、関節円板が元の位置に戻る復位型のa型、関節円板が元に戻らなくなってしまった非復位型のb型に分けられます。顎関節症の中で最も多くの割合を占める症状です。 a型は、顎を動かすとカクカク音がなります。音がなる前までは関節円板が正常な位置からずれており、音がなるときに正常な位置に戻っています。顎が動かしづらく感じたり、痛みを感じることもあります。
b型は、この円板がずれたままで元に戻らないため、口の開く量が制限されたり、動かしにくくなります。通常はa型からb型に移行していくため、カクカク音がなっていたけど、音が鳴らなくて症状が消えたと感じる方もおられますが、これは治癒したわけでわなく、症状が進行したと言えます。

治療方法は痛みや、口が開かなくなることがない場合は基本的には経過観察を行います。そういった顎が動かないという症状がある場合は関節円板が正常な位置に戻るように、顎に力をかけて無理やり動かす方法や、マウスピースを用いて顎が安静状態になる位置に安定していられるようにするスプリント療法を行います。

マウスピースを用いて顎の安静な位置がわかり、そこで噛み合わせを作れるためには、矯正治療をしたり、被せを遣やりかえる補綴治療をする必要があります。

顎関節症になったら

顎関節症は様々な病態がありますが、症状がひどくない場合は、基本的には経過観察を行いながら安静にするということが多いです。何か治療をしてもあまり変化がないものや、一度改善してもまた再発することも多く、原因として噛み合わせに問題がある場合は、結局は矯正治療を行い、被せや詰め物などを全てやりかえなければならず、これは治療期間的にも費用的にも体力的にも患者さんの負担が大きくなるため、そこまでする必要があるかというのはしっかり見極めなければなりません。

顎関節症かな?と思ったら、まずは歯科を受診し、原因となる行動や習癖を抑制することで安静となる状態を作ることが大切です。それでも何度も繰り返すようなら、一度咬み合わせの改善、矯正治療もご検討頂く必要もあるかと思います。

この記事の編集・責任者は歯科医師の田中 公之です。
Dr田中

咬み合わせの治療について

咬み合わせに関わる歯の疾患とその治療

歯ぎしりについて

歯は、食べ物を噛むために重要な働きをしており、力をかけてものを細かくすりつぶしたり、切り裂いたりするというのが歯の役割です。同時に、歯は食べ物を粉砕する時の反作用で、当然負担を受けています。
普段の生活の中で、お食事のとき以外で噛みしめる時を思い浮かべてみてください。重いものを持った時・スポーツをやっている時、怒っている時などが思い浮かんだ人も多いのではないでしょうか。
しかし、実は寝ている時にもとても強い力で食いしばっていることをご存知でしょうか?寝ている時にギリギリ歯ぎしりをする人もいれば、音はしないけど食いしばったまま力が入り続けている人もいます。歯ぎしりは自覚するよりも、周りから指摘されることで気づく方が多いので、ギリギリと歯をすり合わせる様にするタイプの人は自分でもしているとわかっていることが多いですがグッとかみしめ続けるタイプの方は周りも自分も気づいてないことがあります。
「ギリギリ音がする」とい言われたことがない方でも、朝起きた時に顎や側頭部が痛かったりだるい感じのする人は要注意です。

歯ぎしりをしやすい人

咬む力は人によって異なりますが、力がかかっている人ほど、ある特徴が骨に現れます。咬む力のかかっている部分は骨が歪み、その部分の骨が力こぶの様にボコボコと大きく膨れます。下の顎だと、歯茎の舌側に、上顎だとちょうど真ん中あたりが膨れてきます。
こういった特徴がお口のなかに現れている人は、食いしばりがある可能性が高いです。

実は、寝ている時の食いしばりは、食事をしている時など起きている時の力と比べると歯や顎に対する負担が大きいことが明らかとなっています。(※1)
寝ている時の歯ぎしりの力が皆さんの体の共用できる範囲を超えてしまうと、それによって歯や周りの組織、関節にまで悪影響が出てしまいます。寝ている時の歯ぎしりの出現には2パターンあると言われています。

  1. 何らかの原因で一時的に起こっているもの。
  2. 普段から慢性的に起こっているもの。

歯ぎしりの原因はの一つはストレスであるとも言われており、前者(1)はライフスタイルの中でストレスがかかるイベントが発生することで歯ぎしりをしてしまう人です。
後者(2)は、慢性的にストレスレベルが高いとされる特定の性格の方の割合が多いとされています。
お仕事や、家事など様々なことでストレスを抱えやすい現代社会の環境が歯ぎしりの原因となっているため、寝ている時の歯ぎしりを止めることは難しいと考えられています。
ですから、お仕事や勉強などでストレスを感じやすい人はこの歯ぎしりとうまく付き合っていく必要があるかもしれません。

上顎

下顎

※1)All ten subjects tested were found to brux and two used intensities of effort while asleep that exceeded their maximal conscious clenches.(10人の被験者は全員、歯ぎしりしていることがわかり、2人は就寝時に最大咬合力を記録した。

歯根破折など歯への影響について

食いしばりなど咬む力の影響は様々なところに出ます。過度な咬合力は、顎顔面領域に大きく影響を与えます。もちろん歯に対して影響が大きく出ます。
まず、一番わかりやすいのは、咬耗と呼ばれる歯のすり減りです。歯がすり減ってくると、むし歯になりやすい象牙質と呼ばれる部分が露出してきて、そこからむし歯になってしまうことや、しみてくることがあります。前歯がすり減ってちびてくると見た目が悪くなります。歯がすり減ることで噛み合わせの高さも低くなり、今まで負担を受けていなかった部分に過度な力が加わる様になってしまったり、すり減った角の部分が、舌や粘膜を傷つけてしまうこともあります。
歯と歯の当たっているとことの隙間が広くなってくるとものがつまり、食事の時に痛みを感じやすくなります。

この歯のすり減りは、元の形に戻すことが難しいというところが、一番の問題です。例えば、前歯がすり減ってきてカッコ悪いので元に戻したいとすると、単純にそのすり減ったところに白い樹脂を盛り足すと、すぐに取れてしまいます。取れにくくするためには、被せ物を作らなければなりませんが、そのためには歯をぐるっと一周削らなくてはなりません。さらに、前歯だけを直すと、他の歯に比べて前歯が引っかかってしいやすくなり、入れた被せが欠ける、、取れる、歯が折れる、歯が前に飛び出るなどの問題がすぐに起こります。
このため、すり減った前歯を元に戻すには、奥歯も全て被せにして、元の歯の形、噛み合わせの高さを再現しなくては長く持ち、ちゃんと噛める状態にすることはできません。

また、咬む力がかかると、歯根破折や歯冠破折といった、歯の破折が起こることがあります。これは、物に力がかかると折れたり欠けたりするのと同じで、歯でも同様のことが起こります。特に、神経を取ってしまっている歯や、被せや詰め物などで治療をしている歯で起こりやすいです。人工物が歯にくっついているということは、もともとあった健康な歯質が失われ、薄い歯質が残っているということなので、そういった部分は薄ければ薄いほど折れやすいです。

神経を取っている歯に関しては、歯がもろくなっており、根っこごと折れてしまいやすいです。歯は根っこが骨の中に埋まっており、それによって支えられているため、この支えの部分が折れてしまうと、治療をすることができません。

咬耗に対するクラウン

歯根破折

くさび状欠損、歯周組織への影響

過度な咬む力は歯だけだはなく、歯の周りの組織にも悪影響を与えます。
歯の周囲の組織には、歯肉や骨などがあり、歯周組織と呼ばれます。この歯周組織は過度な咬合力を受けることで、歯肉が下がったり、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の間の隙間が深くなったり、歯を支える骨が吸収するのが促進されます。いわゆる歯周病を悪化させてしまいます。 これによって歯の根の部分である歯根が露出しやすくなります。
歯根は、歯の頭である歯冠と比べると表面を守っているエナメル質という硬い無機質の組織がないため、欠けたり、むし歯になりやすいです。 さらに、歯の中の神経と近く、感覚を感じることができるため、冷たいものがしみる知覚過敏や、歯磨きの時に擦れて痛く感じる様になります。知覚過敏は一度起きるとなかなか治らず、ひどい時はお食事ができなくなることもあります。歯肉が下がった部分は、力がかかりにくくしても自然には元に戻らないことが多くそのままになってしまいます。

また、力のかかる部位は、歯の歯肉の際に近い歯頸部と呼ばれる部分がえぐれた様になって欠けてくることがあります。

これはくさび状欠損と呼ばれます。できる場所や形から、歯磨きの力が強いことや、歯磨き粉にふくまれる歯磨剤が原因と考える人もいるのですが、これは歯磨きの習慣がない人や動物でも見られ、実際は、歯頸部に生じる引張応力が原因となっているということがわかっています。これは、歯に歯の生えている方向に対して,歯ぎしりや歯ですり潰す様な動きによる横からの力がかかると、歯頸部が支点となり力が集中するこいう原理で引き起こされます(※2)。放置していてどんどんえぐれてくると、歯髄が露出してしまったり、歯が折れたり、そこからむし歯ができやすかったり、しみる症状が出たりすることがあります。このくさび状欠損に対しては、白い樹脂で詰めることで対応します。しかし、力の負担が大きくかかるところになるため、つめた樹脂が取れやすく、何度も詰め直しになることもあります。

歯が抜け始めると

また、部分的な歯の欠損が増え、歯の本数が少なくなると、個々の歯の負担は大きくなります。 以前は歯の本数が減ると咬合力は弱くなると思われていましたが、噛める歯の本数が減っても、歯ぎしりは止まらず、食べる効率が下がるため、残された歯は以前よりも酷使される様になります。 その結果、過度な咬耗や、歯の動揺が起こったり、奥歯がなくなった場合は前歯が前方に傾斜し、口元が出てくることは少なくありません。 特に、歯周病の進んでいる方は、噛む力ではがぐらつき抜けてくることもあります。

ここまで進むと咬合崩壊といって、全ての歯がなくなる咬み合わせの崩壊がはじまります。咬み合わせが崩壊すると、歯はどんどん抜け落ち、総入れ歯やフルマウスインプラント(全顎的なインプラント治療)、All-on-4などの全顎欠損治療を検討する必要があります。

この記事の編集・責任者は歯科医師の田中 公之です。
Dr田中

義歯・入れ歯治療に関するQ&A

義歯・入れ歯治療についてのよくある質問

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Q.入れ歯はいくらくらいで作製出来ますか?
A.保険適応の義歯であれば、約3,000円〜15,000円で作製ができます。費用に幅があるのは患者様によって足りない歯の本数や義歯の設計、使用する人工歯の素材、クラスプ(金具)の素材が異なるためです。一般的に失っている歯の本数が多ければ多いほど、費用は高くなると思っていただいて良いと思います。他にも自由診療(保険適応外)の精密義歯(約200,000円〜600,000円)もございます。保険の義歯が合わない・長持ちする入れ歯を作りたいというご要望があればカウンセリングにてご説明いたします。
Q.入れ歯を作るのは、何ヶ月くらいかかりますか?
A.ご予約の状況にもよりますが、2週間〜2ヶ月で作製が出来ます。その後、必要に応じて、入れ歯調整を行なっていき、より使いやすく、患者様のお口に合った入れ歯を作製していきます。
Q.入れ歯を作るのは、何ヶ月くらいかかりますか?
A.ご予約の状況にもよりますが、2週間〜2ヶ月で作製が出来ます。その後、必要に応じて、入れ歯調整を行なっていき、より使いやすく、患者様のお口に合った入れ歯を作製していきます。
Q.入れ歯を何度作っても合いません。何か方法はないですか?
A.お口の中に髪の毛が入って、気持ちわるいなと感じたことはないですか?お口の中は、髪の毛のようなとても細いものでさえ、とても過敏に反応するのです。それよりも何百倍も大きい入れ歯がお口の中にずっとあるのですから、違和感はあって当然です。慣れやすい人もいれば、どうしても慣れない方もおられます。また、保険適応の入れ歯は、アクリルレジンというピンク色の材料を使用していますが、アクリルレジンは強度が弱いので、厚みを持たせることで強度を強くしています。この厚みが、より違和感を強くしてしまうのです。
保険適応外の精密義歯であれば、アクリルレジンではなく金属を使用できるので、義歯の厚みを薄くすることができ、違和感が軽減します。また、入れ歯自体が違和感が大きいのであれば、インプラントなどの他の選択肢もありますのでご相談ください。
Q.痛い時は外していても大丈夫ですか?
A.短時間なら問題ないですが、長期間外していると隣の歯が倒れてきたり、咬み合わせの歯も伸びてきたりと他の歯に悪影響が出てきます。また、外し癖がついてしまうと義歯の装着時間の低下に繋がります。義歯を着けずに過ごしてしまうと、
・残っている歯に負担をかけるためダメージが溜まる
・残っている歯が動いてしまうため歯並びが変わる・悪くなる
・義歯が変形したり口腔内の変化により合わなくなる
・口の周りの筋肉が衰え、発音等に障害が出る
などのリスクも考えられます。痛みや違和感が出た場合は外すだけではなく、歯科医院で義歯を調整してもらいましょう。
Q.入れ歯の金具が嫌なのですが、どうにかならないですか?
A.金具=クラスプと呼ばれるものですね。入れ歯は、お口の中の粘膜部(歯肉)と歯に支えられて、お口の中で機能しています。クラスプがないと、引っかかるところがなく、お口の中で動いてしまうので、噛むことができなくなったり、お口から飛び出てしまったりします。つまり、クラスプはとても重要な役割をしており、入れ歯において、不可欠なものなのです。
しかし、クラスプにも欠点はあります。歯に金具が引っかかることによって、プラーク(口腔内の細菌)もクラスプに引っかかってしまうのです。これは入れ歯をつける時間が長ければ長いほど、プラーク付着は増えていきます(※1)。プラークが付着している時間が長くなれば虫歯になってしまいます。
これを防ぐために、食事の後は必ず入れ歯を外し、歯と入れ歯を洗浄し、綺麗にした状態で再度入れ歯を装着していただくようお願いいたします。

※1)クラスプ装着による鉤歯へのプラーク付着状態ならびにその形成過程と,自浄性への影響を解明するために本実験を行った結果,プラーク付着量は経時的に増加する.

Q.義歯安定剤は使ってもいいのですか?
A.市販されている安定剤には、義歯粘着剤とホームリライナーがあります。使用することによって、入れ歯の動揺が少なくなると言われています(※2)。しかし、使い方を間違えば、お口の中での入れ歯の位置を変えてしまうことになり、骨や歯肉に大きなダメージを与えてしまうことになります。また、長時間の使用で、歯肉に炎症が起こることも報告されていますので、短期間での使用をお勧めします。いずれにしても、歯科医師の管理のもと、ご使用いただくのが安全です。

※2)義歯使用中の接着剤の全体的な効果を観察した結果、義歯安定剤が義歯の動きを減少させ、咀嚼機能を改善することを示唆しています。

Q.お手入れはどうすれば良いでしょうか?
A.毎食後、義歯を外し歯ブラシ等で洗う事が望ましいです。外している間は、水の中で保管したり歯ブラシでは落とせない汚れや細菌を除去できる義歯洗浄剤を使用するのもお勧めです。
Q.新しい義歯を作りたいのですか可能ですか?
A.保険制度上6ヶ月以上空いていれば作成可能です。長年使用し古くなっていたり、痛みが出ている場合などは新たに作成が必要かと思いますので、現在使用されている義歯を確認し検討していきましょう。
Q.義歯に種類はありますか?
A.自費治療も含めれば様々な種類の義歯があります。違和感を少なくできたり、金属のバネを見えないものにできたりと保険治療ではできない治療も自由診療では可能になるので一度相談してみてください。
Q.総入れ歯でも歯磨きは必要ですか?
A.総入れ歯でも歯の根が残っている部分があればブラッシングが必要です。ブラッシングを怠ると歯周病菌が悪さをして、口臭がひどくなったり、歯茎がはれたり、義歯が合わなくなったりすることもあります。
この記事の編集・責任者は歯科医師の内藤 詩です。
Dr内藤

咬み合わせ治療のQ&A

咬み合わせの治療についてのよくある質問

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Q.治療した歯が高いように感じるのですが治りますか?
A.被せ物を調整する事で違和感をなくします。被せ物を入れた際、麻酔が効いていたり今までなかったところが咬み合うので、食事時や少し経ってから違和感が出てくる場合があります。経過を見ながら調節していきます。
Q.顎が痛いのですが歯が原因ですか?
A.一概に歯だけが原因とは言い切れませんが、咬み合わせや歯ぎしり、食いしばりなどで痛むことは考えられます。原因を探りながら治療することで、症状を和らげたり、痛みを抑えたりすることは可能ですので症状に合わせた治療をしていきましょう。
Q.マウスピースが苦手なのですが改善策はありますか?
A.マウスピースにも種類があります。ソフトタイプとハードタイプだけでも使用感は変わってきます。また、分厚さも変えれますので一度相談してみてください。気持ち悪いところを薄くしたりカットしたりも可能なので使用しやすいよう調節しましょう。
Q.歯を被せ物にすることで咬み合わせを改善できますか?
A.被せ物の角度や形だけで不正歯列をよく見せるセラミック矯正とも言われる治療は、当院では原則的に被せものによる不正咬合の治療は行っておりません。ただし1本の歯のみ、虫歯治療時により良い咬み合わせになる場合などはお受けすることもあります。咬み合わせの問題は歯根(歯の根)から考える必要があります。歯根が現在のままで歯冠(歯の見えている部分)だけの角度を変えても、自分の咬合力に被せ物が耐えられなくなったり、顎に不自然な力が加わることでしっかり噛めなくなったり痛みを覚えたり、歯の根が力に耐えられず割れてしまうことも有り得ます。ですから、当院ではその他の手段で咬み合わせを改善する方法を検討し、ご提案致します。
Q.マウスピースは保険で作れますか?
A.保険適用で作れるマウスピースはいくつかあります。顎関節症のプレートや歯ぎしり防止用のナイトガードです。顎関節症のプレートは、顎のクリック音や顎関節症の所見がなければ作れません。ナイトガードは歯ぎしりや咬耗がある患者さんに対して適用されます。
Q.咬み合わせの治療はどれぐらいの期間がかかりますか?
A.患者様毎の咬み合わせの状態によって異なりますが、1〜2回で終わる方もおられれば1年以上かかる方もおられます。
Q.顎を開けたり閉じたりすると音がなります。顎関節症でしょうか?
A.音がなるだけでは顎関節症とはいいきれませんが、可能性はあります。そのうち痛みを伴いはじめると顎関節症である可能性が高まってきます。顎関節症はその他顎の違和感や偏頭痛、肩こりや腰痛を伴うことっもあります。顎の痛みや違和感を感じたらご相談下さい。
Q.歯ぎしりをしているのですが、治療しなくてはいけませんか?
A.残念ながら歯ぎしりを止める方法はまだわかっていません。しかし、毎日歯ぎしりしていると、何度も繰り返すことで歯がすり減ってしまったり、歯冠や歯根にダメージを蓄積してしまいます。また、歯ぎしりは就寝中のみではなく、日中にもしてしまっている可能性もあります。歯科では日中の歯ぎしりを歯牙接触癖(Tooth Contacting Habit : TCH)といい、上下の歯を持続的に接触させる癖のことを指します。TCHは意識的に歯が接触しないよう気をつけることはできますが、就寝中の歯ぎしりは意識的にとめることはできません。就寝時の食いしばりは、覚醒時に比べ強い力で噛んでおるという研究結果(※1)もあるほどですから、毎日歯ぎしりをしているようでしたら歯へのダメージが心配されます。食いしばりや歯ぎしりによる摩耗が見られる方は、マウスピースによって咬合力による歯へのダメージを軽減することをおすすめしています。歯ぎしり用のマウスピースは当院にて作成可能です。

※1)下顎の前から6番めの前側の根管で一番破折が起こりやすい

Q.整骨院やマッサージにいっても肩こりが治りません。顎関節症の可能性はありますか?
A.可能性はゼロではありません。しかし、顎関節症の方すべてに肩こりなどの症状が現るわけではありません。口を開けたり閉じたりするとクラック音という「コキッ」という音がなったり、顎に痛みや違和感があれば顎関節症の可能性はあります。顎関節症の治療を行ったり、矯正治療で咬み合わせが変わった方の中には慢性的な肩こりや腰痛がなくなったという方もおられます。しかしすべての肩こりが顎関節症が原因であるわけではありません。顎や咬み合わせに異変を感じたらご相談に起こし下さい。
この記事の編集・責任者は歯科医師の内藤 詩です。
Dr内藤
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