こんな時どうする?
今やSNSでも見る機会のあるマウスピース矯正。患者様から、“マウスピース矯正がしたいです!”と言われることも珍しくなくなってきました。実際その効果は素晴らしく、たくさんの方が目立たず、痛みが少なく、キレイに歯並びを改善されています。
しかし、それと同じく「マウスピース矯正をしたけどうまくいかなかった」と、ご相談に来られる方も増えてきています。当院でもマウスピース矯正を扱っておりますが、これは事前の治療計画に問題があったり、患者様の目指すゴールと歯科医師が目指したゴールに相違があることによって生まれるトラブルです。
ここでは以下の3点を説明いたします
マウスピース矯正を「マウスピース矯正ができない症例」以外で失敗する理由は、どんな常態になったかによって、その原因はいくつかにわかれます。
しかし、おおよその原因は大きくわけて下記の5つのうち、「どれかを怠ってしまった」もしくは「うまく行かなかった」場合が多いです。なぜ足りなかったのか、なぜその処置になったのかは、治療を担当した歯科医師にしかわからないかもしれませんが、稀にあるのは歯科医師から説明を受けていたが、よく理解せずに下記の処置を断ったという場合もあります。
これにより歯を並べるための隙間ができます。
一般的に矯正治療においては4番目の歯を抜いて歯を並べるための隙間を作ることが多いです。ガタガタの程度によっては抜歯を回避することがあります。
歯と歯の間を0.2~0.5mm削合(ストリッピングといいます)することで歯を並べるための隙間を作ります。
奥歯をどんどん後方に送っていくことで、前歯に隙間ができます。この隙間を使って、ガタガタを並べます
歯が並んでいる顎の骨自体を横に広げることで、歯が並ぶための隙間を作ります。ただし成長の止まっている成人の場合は、顎の骨の拡大は難しい場合があります。
CASE1
「マウスピース矯正したら出っ歯になった」というお声はよく耳にします。歯のガタガタを治療したいと思い、歯のガタガタは改善したものの出っ歯になってしまったという状況です。この原因を説明していく前に、まずガタガタを治すために必要な歯の動かし方について述べておく必要があります。
ガタガタを改善するためには、歯が並ぶためのスペースや隙間を作る必要があり、①②③④⑤の方法で歯を並ぶ隙間を作り、ガタガタを改善します。
では、なぜ出っ歯になってしまうのかというとズバリ診断が合っていなかった可能性は否めません。
②③④⑤の方法を用いないとキレイに並ばないにも関わらず、ただ①の方法のみで歯を並べようとするとどんどん歯が前に出てきてしまいます。
この失敗は、主に部分矯正で起こってしまうことが多いです。なぜなら部分矯正では②や④の選択肢を用いないことが多いからです。リカバリーするには、②③④の方法を用いた、全体矯正に移行しないといけないことが多いです。
CASE2
これも「出っ歯になる」原因と同じように、「歯を前に出す」ことが原因で起こることが多いです。特に上の歯を前に出してしまったばかりに、下の歯と噛まなくなってしまうという状況がよく見受けられます。
噛み合わせを作る際、基本的には部分的な矯正でなく、奥歯も含めた全体的な噛み合わせのコントロールが必要になることが多々あります。ここの見極めが非常に重要で、もちろん部分的な矯正のみでガタガタを改善できることもありますが、ここの見極め、診断を失敗してしまうと“歯はキレイに並んでいるけど前歯が噛み合わせなくなってしまった”というようなことが起こってしまいます。
CASE3
これも①の「歯を全体的に前に出す」動きにより、歯が前に出てきてしまうことが主な原因です。
基本的に、歯は歯茎と骨の中に埋まっているのですが、下の前歯の歯茎と骨は非常に薄いことが多いです。それにも関わらず下の歯をどんどん前に送ると、歯が骨や歯茎から出てしまいます。その結果、前歯が揺れたり、歯茎が下がったりしてしまいます。
リカバリーに関してですが、歯の揺れが軽度の場合は横の歯と固定を行い、様子を見ます。しかし歯の揺れが重度の場合、抜歯治療を行わないといけないこともあります。下がってしまった歯茎に関しては、歯茎を移植するという治療を行うことで、下がった歯茎をリカバリー出来ます。ただし、全てがうまくいくかというとそうではなく、症例によります。
CASE4
これはガタガタの強い部分に強い力がかかることが主な原因です。特にマウスピースの取り外しの回数が多かったり、取り外しを雑に行ってしまうと歯に強い力がかかります。その結果、歯の神経が充血(歯髄充血と言います)を起こし、歯が変色してしまうのです。
これに対してのリカバリーですが、マウスピースを外して安静にします。安静期間は諸説ありますが、最長6ヶ月くらいは様子を見ます。6ヶ月以内に変色が落ち着けば問題ないのですが、それ以上経っても変色が落ち着かない場合は、歯の神経を取らなければいけなくなってしまいます。
CASE5
これは矯正治療後に、保定といわれる措置を十分に行わなかったことが原因です。動かした歯をそのままの状態でキープすることを保定と言います。
これが十分な時間、期間行われないと元々の位置に歯が戻っていきます。
こうなってしまうとリカバリーするには再矯正を行った上で、十分な期間保定を行わざるを得ません。
以上がマウスピース矯正治療後に起こる主な失敗になります。
マウスピース矯正は適切な診断の元で行えば歯がキレイに治る素晴らしい処置ですが、それが間違っていると上記のようなトラブルに見舞われます。
ご本人にとっては、「せっかく費用やお金をかけて治療したのに」とさぞお悔しい気持ちになられると思います。場合によっては追加の治療が可能なことや、再矯正を割安でやってくれる場合もあるかもしれませんが、そのまま泣き寝入りになったという方も少なからずおられると聞きます。(参考:歯列矯正をやらなきゃ良かった後悔した人)
しかし、そのまま暮らすのは気持ちが塞ぎ込んでしまったり、悪い咬み合わせになって歯にとって良くない場合もあります。マウスピース矯正後にお困りの方がいらっしゃいましたらお力になれるかと思いますので、ご相談いただければと思います。
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