親知らずとは、20歳前後の年齢で生えてくることがある一番奥の歯です。親知らずという名前の由来は、「昔の寿命の関係上、両親が亡くなった後に生えてくる歯」「親が子供の口の中を見ない年齢になってから生えてくるから」など諸説ありあますが、歯科用語では「智歯」「第三大臼歯」と呼びます。
親知らずは誰でも生える歯ではなく、正しい位置・角度に生えるとも限りません。上下左右4本とも生える方もいれば、1本も無いという方もいます。
親知らずが生えない方やまっすぐ生えてくる方は問題はありませんが、斜めに生えたり、少しだけ歯が出ている状態は清掃性が悪かったり、智歯周囲炎という親知らず独特の炎症が起こることがあります。
清掃性が悪いと歯垢が溜まりやすかったり、隣の歯との間に虫歯ができやすいです。斜めに生えていると上の歯と咬み合うこともないため、抜歯をお勧めすることもあります。
ですが、抜歯をすることで痛い思いや後悔したという声があるのも事実です。健康のために行った抜歯が悪い風にならないように、「抜かなきゃよかった!」と思う症例と対策をご紹介します。
親知らずの中でも下顎の抜歯は痛みを伴いやすく、腫れや疼痛が起こりやすいです。下顎は骨が厚いので麻酔が効きにくく、歯肉の切開などの外科処置も必要になることも多くあります。
およその目安で抜歯から3日〜1週間は痛みを感じることが多いと思いますが、あまりにも痛みが長引いてしまうと日常生活にも支障をきたしてしまいます。
抜歯した跡には穴ができますが、歯が埋まっていた歯槽骨が露出し、細菌などに感染しやすい状態になります。本来ならここに血が溜まることで徐々に治癒していきます。
しかし、血が溜まらずに傷口が乾いた状態になってしまうと「ドライソケット」となり、患部の骨が出たまま乾いてしまい、感染症を引き起こしやすくなります。
抜歯した痕は歯磨きがしにくく、食べ物が傷口に留まってしまうことも多いです。食べかすや細菌が多くなると炎症を起こしてしまったり、口臭になって現れることもあります。
下顎の親知らずの下には下歯槽神経という神経が通っており、手術の際に傷付けたり圧迫してしまうと、顎の感覚が痺れたり麻痺する「下歯槽神経麻痺」を発症する場合があります。(※1)
この症状を起こさないためには歯科医院側が丁寧な診断を行う必要があります。神経の位置をしっかりと把握できるように、レントゲン・CTなどで精密な検査ができないといけません。
参考文献※1)下顎の治療において最も多い偶発症として下歯槽神経麻痺が挙げられる。下歯槽神経麻痺は,嚢胞摘出、抜歯、根管治療、インプラントの植立などによって下歯槽神経を損傷させ患側の下唇、オトガイ皮膚などに知覚異常を出現させてしまうものである。下顎の治療を行う場合は下歯槽神経麻痺のリスクが高く、十分に下顎管と歯の位置関係を確認し、インフォームドコンセント、正しい手技、適切な対応が必要となる。
抜歯は一般的な歯医者で行えますが、外科処置を行う手術です。ですから、体調が悪い・寝不足・過密な日程などのような状態で受けることは好ましくありません。
健康な状態は傷口の素早い治癒にも欠かせません。元気な状態で抜歯をして、術後は安静にできるスケジュールを組んでおく必要があります。
抜歯後の傷口には、血餅(けっぺい)というかさぶた様の組織で抜歯した箇所が覆われることで治癒していきます。ですが、血餅は激しいうがいや歯磨きによって取れてしまうことがあります。
血餅を失うと血が留まらず、ドライソケットになる可能性が高まります。口をゆすぎたくなる事があると思いますが、抜歯後すぐは必要最小限にして優しく洗浄しましょう。
レントゲンは歯や骨・神経を平面的に確認することができますが、実際の歯は立体的なものです。手術前に立体的な確認をするためには、歯科用CTを使う必要があります。
当院ではレントゲン・歯科用CTともに導入しておりますが、歯科用CTを導入している歯科医院は全国で10%程度とも言われています。ですから、精密な検査ができる環境がある医院を探して選ぶことも重要です。
また、歯科用CTでの検査で、下顎管などの大きな神経に触れるような処置となると、麻痺などに備え大学病院等での抜歯が必要になる場合もあります。歯科用CTがなければこれらを判断できずに抜歯をしてしまうと、術後のリスクが高くなります。
もちろん、親知らずを抜かないことでメリットもあります。親知らずが真っ直ぐ生えて揃っている場合、他の歯と同様に使っていく事ができます。
歯ブラシで奥まで歯磨きするのは難しいですが、より多くの歯でしっかり噛むことができます。
さまざまな条件がありますが、親知らず以外の歯を抜かなければならない時に親知らずを移植できる場合があります。「自家歯牙移植(じかしがいしょく)」と言われるこの治療は、親知らずを移植する場合は保険適用で治療が行えます。
もちろん、歯周病などの無い健康な親知らずがある必要はありますが、ご自身の歯で抜けた歯を補えるというのは大きなメリットになります。
親知らずは虫歯や炎症を起こしやすく抜歯になる事が多いですが、抜歯する場合はしっかりとした術前・術後のケアも大切になります。
現在親知らずが原因の症状で悩まれていたり、抜歯したいけど後悔したくないがために、そのままにしておられるようでしたら、お近くの歯科医院での診断をお勧めいたします。
この記事を見て自分のお口が気になったら、ご予約はこちらから(初診専用)
簡単WEB予約曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
休診日:・日曜
※日曜・祝日診療は下記診療カレンダーをご覧下さい。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
|
休診日
日曜・祝日診療
13時迄
他のエリアでもアップル歯科の治療を受けられます