歯周病の症状(見た目・特徴)と調べ方

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歯周病かな?と思ったらチェック!【歯周病の症状と対策】

歯周病の症状や特徴を確認して、自分が歯周病かどうか確認してみましょう。

自分が歯周病かどうか気になっている方へ

監修:田中たなか 公之きみのり先生 アップル歯科尼崎駅前 歯科医師

歯周病はサイレント・ディジーズ(静かなる病気)とも言われるほど、初期段階では自覚症状がない恐ろしい病気です。

そのため歯茎からの出血やむず痒さなど、自覚症状が出始めてようやく「もしかして歯周病?」と疑り始めます。しかし、もしかしたらその頃には中等度程度まで悪化が進んでいる可能性もあります。

そのためにも、歯周病は早めに気づいて治療を始める必要があります。ここでは、歯周病の症状や特徴、写真を紹介します。ご自身の状態と照らし合わせて、自分が歯周病かどうかの一つの目安としてご覧ください。ただし、紹介しているのはある程度進行した歯周病です。

歯周病は初期ほど完治率が高い病気ですので、「歯周病かな?」と思ったら、迷わず歯科医院にご相談いただくことが最善です。

これって歯周病?気になる症状と調べ方

歯周病とは

歯周病とは、歯を支える組織が炎症を起こす病気です。初期段階の「歯肉炎」では、歯茎が赤く腫れて出血しやすくなります。進行すると「歯周炎」になり、歯を支える骨が溶けてしまうため、歯がぐらつき最悪の場合は抜けてしまいます。

歯周病の原因は、歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊です。プラークは食べ物の残りカスや唾液中の糖分を栄養源とする細菌が歯の表面に集まり、繁殖することで形成されます。

プラークはおよそ2日程度で石灰化し、歯石という固い塊になって歯に付着します。歯石ができると更にその上に細菌が溜まりやすくなり、更に歯周ポケットを拡げて歯茎に内側へと入っていきます。

このように歯周病は進行する病気で、初期段階では症状がないため、知らず知らずのうちに歯茎や歯を支える骨(歯槽骨)を蝕んでいきます。

健康な歯と歯茎、歯周病の歯と歯茎

歯周病の症状

歯周病は歯周病菌の毒素によって、歯肉に炎症を起こしたり、歯を支える骨を溶かす怖い病気です。

しかし歯周病は、初期段階ではあまり症状が現れません。

時間をかけて進行し、徐々に以下のような症状が現れ始めることで、はじめて「もしかして歯周病かも」と、気づき始めることも多い病気です。

歯周病で腫れた歯茎
  • 歯茎の腫れや赤み

    赤みが出た歯茎

    歯茎が腫れて、触ると痛みを感じたり、赤くブヨブヨになる

  • 歯茎からの出血

    歯頚部からの出血

    歯磨きや食事をすると歯茎から出血が見られる

  • 歯茎から膿が出る

    膿が出て白っぽく膨らんだ歯茎

    歯茎からドロっとした膿がでる歯槽膿漏になる

  • 口臭

    息を嗅いで口臭を確認する女性

    口の中で歯周病菌が繁殖し、独特な口臭が発生します

  • 歯が長くなる

    歯周病で歯茎が痩せて長く見える歯

    歯を支える骨が溶けて、歯肉が退縮し、歯が長く見える

  • 歯の動揺

    歯周病で歯がグラグラになった状態

    歯を支える骨が溶けて、歯がグラつき始める

歯周病のセルフチェック方法

ご自身が歯周病かどうかを知るには、歯科での検査を受ける必要がありますが、以下の項目に一つでも当てはまれば、歯周病である可能性は高いといえます。

朝起きると口の中がネバネバする
歯磨きをすると血が出る
硬いもの噛むと痛い
口臭が気になる、口臭を指摘された
歯がグラグラしている

一つでも当てはまれば、早めの歯科受診をおすすめします。

歯石チェックのデフォルメ化したイメージ

歯周病になりやすい人の特徴

喫煙者

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させたり免疫を機能を妨げる働きがあります。そのため、傷や炎症の治りが遅くなったり、歯茎に酸素や栄養がいきわたりにくくなります。また、タールはヤニとなって歯にこびりつき、歯の表面をザラザラにするため、細菌が付着しやすくなります。

その上、タバコを吸うことで歯茎の腫れや痛みに気づきにくくなるため、歯周病になってもその症状に気づくことが遅れます。喫煙者は、非喫煙者に比べ歯周病のリスクは極めて高いと考えた方が良いと考えられます。

喫煙風景

歯磨きが苦手・しない方

歯周病の原因はプラーク(歯垢)という歯に付着した細菌の塊です。プラークは誰にでも溜まりますが、歯磨きやフロスで落とすことができます。

しかし、歯磨きが苦手な方は歯と歯茎の境目や歯と歯の間のプラークを取り残してしまったり、形式上磨いているだけでプラークが落ちていないなど、細菌を口腔内にとどまらせてしまいます。

プラークは細菌を繁殖しながらやがては歯石という硬い石のようになり、さらに細菌が繁殖しやすい状態になります。歯磨きをあまりしない方や、歯医者による正しい歯の磨き方の指導を受けていない方は、歯周病に罹患するリスクが高いと言えます。

歯磨き風景

妊婦の方

妊娠中はホルモンバランスが崩れ、歯周病の症状が出やすくなります。別名「妊娠性歯肉炎」とも言われ、歯周病に罹りやすいことが明らかになっています。

さらに歯周病は、早産や未熟児の原因にもなる病気です。妊婦にとって歯周病は罹りやすく、罹るとやっかいな病気と言えます。

そのため、妊婦には歯科検診が推奨されており、お口の中をキレイにしてプラークの量をコントロールします。

妊婦の写真

糖尿病の方

糖尿病になると血糖値が高くなります。血糖が高いと、白血球の働きが低下し、免疫が落ちてきます。免疫が落ちると感染症にも罹りやすくなるため、お口の中にいる歯周病菌に対する抵抗力も落ち、歯周病に感染していまいます。逆に、歯周病菌から出る毒素が血液中に入ると、今度はインスリンの働きを低下させます。こにより血糖があがり、糖尿病の症状が悪化すると考えられています。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪化をさせる恐ろしい組み合わせとなります(※1)。糖尿病になったら、内科だけではなく歯科での歯周病治療も重要となります。

血糖値の自身で図る様

歯並びが悪い方

歯並びが悪いと歯列にデコボコができます。このデコボコは見た目だけの問題ではなく、歯磨きをしっかり行う妨げとなります。歯が重なっているところは特に磨きにくく、歯周病菌の温床となりやすいと考えられます。

また、咬み合わせの問題で、お口が開いてしまうような不正咬合の場合、口呼吸になりやすくなります。

日常的に口呼吸をしていると、口の中が乾燥して細菌が繁殖しやすくなる他、唾液による自浄作用が失われるため細菌の活動を抑えることができなくなります。そのため、歯列矯正は歯周病の予防においても有効な治療となります。

悪い歯並び

中高年の方

歯周病菌は誰しものお口の中にいるような細菌で、罹患すれば年齢とともにその症状が少しずつ現れ始めます。

2016年の歯科疾患実態調査では、4mm以上歯周ポケットの保有者の割合は高齢者層で高い値となり、45歳以上では過半数に見られたそうです(※2)。つまり、歳をとるほどその罹患率は高くなり、症状は進行していくことがわかります。

たとえ虫歯にもなったことがないという人でも、40代、50代から歯周病の症状がではじめ、60代前後で歯を失うというようなことは珍しい話ではありません。

歯を気にする中年男性

※1)歯周炎症が糖尿病の血糖コントロールへ及ぼす影響

※2)4mm以上の歯周ポケットを持つ者の割合は、高齢になるにつれ増加しており、年次推移を見ると、今回調査ではほぼ全ての年代で高値を示した(表21、図21)。歯肉出血を有する者の割合は、15歳以上の年齢階級で30%を超え、30歳以上55歳未満で40%を超える

歯周病の治し方と防ぎ方

歯周病の症状が出る原因

歯周病のそもそもの原因はプラークとその中に棲む細菌です。この細菌が出す毒素によって歯肉が炎症をおこし、膿が溜まったり、歯槽骨という歯を支える骨が少しずつ溶かし、徐々に歯茎が退縮することでこれまで歯肉の中にあった歯の根が露出することで歯がしみたりと、少しずつ症状として現れます。

そのサインに気づくの遅れれば遅れるほど進行は進み、歯槽骨はどんどん溶けてしまいます。

やがて、溶けて薄くなった歯槽骨は歯を支えきれなくなり、歯は脱落、もしくは歯科医院で抜歯せざるを得なくなります。つまり歯周病の症状が出るのは、単に炎症や出血を繰り返しているのではなく、「進行している」というアピールだと考えましょう。

パートナー男性の口臭に鼻をつまんで訴える女性

歯周病の症状が出たら

歯磨きをしていたら歯ブラシに血液がついていた」、「歯肉が腫れている」、「鏡でイーッとしてみたら歯が長くなったように感じる」、「身近な人から口臭を指摘された」など、これらは歯周病の症状であり、治療が必要であるというサインです。

静かなる病気」とも言われる歯周病にとって、明らかに歯周病だろうとわかる症状は、それなりに進行していることを意味します。ですからその段階で歯周病用の歯磨き粉や、デンタルケアグッズを使ったとしても、改善する望みは薄いかもしれません。

逆に、それによって「歯医者に行く前に何とか治そう」と考えている間に進行してしまい、手遅れになる可能性もあります。(参考:どこから手遅れ?歯周病の段階と症状)

ですから、「歯周病かも」と思うような症状がでたら、まずは歯科医院に掛かりましょう。歯周病用の歯磨き粉やデンタルケアグッズは、治療と併用することで効果を得られる可能性があります。ご自身でなんとかしようと思うのではなく、まずは歯科医師に相談しましょう。

予防歯科の風景

歯周病にならないために

歯周病は骨を溶かす病気です。そして溶けてしまった骨は元に戻ることはありません。つまり、歯周病の進行を止めることはできても、元通りに治ることはないのです。ですから、できる限り早い段階で歯周病をコントロールする必要があります。

更にいうなら、歯周病にならないように予防することができれば、骨が溶けたりそれによって歯を失うということを防ぐことができます。

歯周病は予防ができる病気です。毎日正しいセルフケアでしっかりプラークを取り除き、年に3〜4回の歯科医院でのプロケアによって歯石や取り残したプラーク・汚れを落とすことで、歯周病にかかるリスクを軽減するこが可能です。

歯周病で大切な歯を失わないためにも、3〜4ヶ月に1度の予防歯科をお薦めします。当院では、この予防歯科に力を入れています。歯周病の予防、治療をご検討中でしたら、お気軽にご相談ください。

歯の治療風景
この記事の編集・責任者は歯科医師の田中公之です。
DR田中
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歯周病の症状(見た目・特徴)と調べ方 | 公開日: 2023/03/17 | 更新日: 2024/07/09 | by アップル歯科尼崎駅前

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