歯石取りの頻度は何ヶ月ごとがベスト?

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歯医者で歯石を取る頻度について

歯石取りはどのくらいの頻度で行った方が良いのかお悩みの方へ。

定期的に歯石を取るためのアドバイス

監修:田中たなか 公之きみのり先生 アップル歯科尼崎駅前 歯科医師

一般的に歯磨きで取れる歯垢(プラーク)は、6割り程度と言われています。もちろん、もっと取れている人もいれば、もっと残っている人もいるでしょう。

その磨き残したプラークはおよそ2日程度で石灰化が始まり、歯石へと変わっていきます。歯石がたまると更にプラークは溜まりやすくなり、歯石はどんどん分厚くなっていきます。

その歯石が原因となって起こる虫歯や歯周病、全身疾患に関わるリスクを排除するためにも、定期的な歯医者での歯石取りはとても重要です。

ここでは、歯科医院の歯石取りについて、適切は頻度や回数、歯石を残さないための方法をご説明します。

歯石取りについて

歯石取りの頻度は3〜4ヶ月に1回

歯石取りの適切な頻度は、一般的には3ヶ月に1回程度が良いとされています。

しかし、これは誰でもその頻度が良いというわけではなく、歯石が溜まりやすい人や歯周病が進行している人は2ヶ月に1度程度歯石取りをした方が良い場合もあります。

また、歯石がたまりにく人は4ヶ月に1度でも大丈夫だったり、お子様の場合は半年に1回でも良い場合もあります。

つまり、歯石取りの頻度は、一概に3ヶ月に1度が良いというものではなく、その人の年齢や歯磨きの状態によって異なります。

あなたがどれぐらいの頻度で歯石取りを行うべきかを正しく知るためには、かかりつけの歯医者さんや歯科衛生士と相談してみてください。

歯科衛生士による歯石取り

歯石が付きやすい場所

歯石が付着しやい場所は、人によって歯磨きの仕方が異なるため一概には言えませんが、一般的には唾液腺が近いところに付着しやすいとされています。

そして歯石は歯と歯茎の境目から積もるように付着していきます。

  • 上顎 奥歯(5・6・7番あたり)の頬側(外側)
  • 下顎 前歯(1・2・3番あたり)の舌側(内側)
歯石が溜まりやすい場所の図解

歯石が付着する理由

そもそも、どうして歯石は歯に付着するのでしょうか。

歯石のそもそもの原因・始まりは「歯垢(プラーク)」です。プラークは口腔内の細菌が出る代謝物や産生物の塊で、白くてネバネバした付着物で、よく食べかすをプラークと勘違いする人もいますが、これは別物です。

食べかすはうがいなどで簡単に洗い流せますが、プラークは歯の表面に付着しているためうがいをしても落ちません。

このプラークは食後24時間以内に形成され、約2日ほど経過すると歯石になります。つまり、歯石が歯に付着するのは、このプラークをしっかり磨き落とせていないことが原因となります。

プラーク
歯石

歯石を取らなければどうなる?

歯石自体は、石灰化しているため、細菌そのものではありません。しかし、歯石の表面はザラザラしていて汚れがつきやすく、細菌が繁殖する格好の場所となってしまいます。

細菌が繁殖すると新たにプラークができ、虫歯や歯周病の原因となる菌がお口の中で繁殖していきます。つまり、虫歯や歯周病のリスクが高くなるということです。

特に、歯石がたまることで進行しやすくなるのが歯周病です。歯周病は重症化すると歯茎が痩せ、歯を支える骨さえも溶かしてしまう怖い病気です。そして最後には歯を支えることができなくなり、歯を失うことになってしまいます。歯周病は、日本人の歯が抜ける1番の原因です。(※1)

そして、歯周病は全身疾患とも関わりの強い病気で、糖尿病や心臓病、認知症などの全身疾患のリスクを高めることもわかってきています。

※1)抜歯の主原因別の割合。最も多かったのは歯周病(37.1%)で、次いで、う蝕(29.2%)、破折(17.8%)、その他(7.6%)、埋伏(5.0%)、矯正(1.9%)の順であった

定期的な歯石取り

歯科医院での歯石の取り方

歯科医院で歯石を取る場合、スケーラーという特殊な刃物のような器具を使って歯石を取り除きます。これをスケーリングといいます。

現在では、超音波スケーラーという超音波を使った電気振動によって歯石を破砕・剥離させる方法が一般的で、超音波スケーラーで取り切れなかった歯石を、ハンドスケーラーで取り除いていきます。

また、歯石には歯茎の中にできる歯周ポケットに溜まる「縁下歯石」というものがあります。

これを取り除くには、スケーラーを歯周ポケットの中に差し込んで、歯の根に付着した歯石を削ぎ落としていきます。この処置をスケーリング・ルートプレーニング(SRP)と言い、SRPは痛みを伴う処置となるため、局所麻酔下で行うことが一般的です。

歯石取りの3D画像

自分で歯石は取れる?

歯石は自分では取れない」とは言いますが、実際は取ろうと思えば取れます。最近ではネット通販などでも歯石取りのグッズが販売されています。

ただしこれは、全ての歯石を取ることはまず難しく、とても危険な行為であるということは覚えておく必要があります。

歯石取りを行う歯科衛生士は、歯石取りのトレーニングを積み、歯科知識も豊富です。それでも、ベテランになるまでは歯石を見落としたり、なかなか取れない歯石に苦しむこともあります。

その作業を目視もせずに技術を持っていない人間が行うのですから、当然失敗することもあれば、歯石を取り残すこともあります。

スケーラーというのは刃物のような道具です。当て方一つ間違えれば歯や歯茎を傷つけてしまいます。ですから、歯科医師や歯科衛生士ですら自分で歯石を取ることはまずありません。

歯科医の視点から言わせていただくと、歯石取りは歯科医院で行うことが望ましいです。

歯石取りの道具

歯石を付けないためには

歯石を付けないようにするためには、自身で落とすことができる歯垢(プラーク)のうちに除去することが重要です。

その方法やはりセルフケア・歯磨きになりますが、歯磨きだけではどれだけ頑張っても全てのプラークを取り除くとができません。

しかし、歯間ブラシやデンタルフロスという、歯磨きの補助グッズを使うことで、より多くのプラークを取り除く事ができます。

また、歯磨きにはどうしても癖や習慣により個人差が出てきます。そのため「よく磨けているところ」「磨き残しがあるところ」という傾向が現れます。

この歯磨きの傾向を正してくれるのが、歯科(医師)衛生士による歯磨き指導(TBI)です。TBIを受けることで、磨き残しをしにくい歯磨き方法を身につけることができます。

歯磨き指導の様子

適切な歯石取りの頻度

自分の場合の歯石取りの頻度は?

歯石取りの頻度は歯や歯茎の状態、年齢などによって異なります。そのため、自分自身の歯石取りの頻度が何ヶ月に1回が適切なのかは、わからないかもしれません。

概ね、10代〜40代で歯周病の傾向がなければ3ヶ月に1回が良いとされる場合が多いです。ただし、これらは年齢で決まるのではなく、プラークコントロールの状態によって決まります。

若くてもかかりつけの歯科医から「プラークコントロールが良くない」と言われるようでしたら、2ヶ月・1ヶ月に1回と、頻度を上げたほうが良いでしょう。

50代以上になると、歯周病による影響が口腔内に現れやすくなります。そのため、最低でも3ヶ月に1度は代わりませんが、1〜2ヶ月に1度程度行ったほうが良い確率は高くなります。

子供の場合、歯がまだ生え揃っていない場合は半年に1度程度でも大丈夫ですが、ある程度歯が生え揃ったら4ヶ月に1度程度はお口の状態をチェックした方が良い場合が多いです。

いずれにしても、自身のお口の状態によって頻度は異なりますので、歯科医の判断に委ねることが大切です。

歯科検診の様子

まとめ

歯石取りは、3ヶ月に1度は行うことが望ましいです。ただし、プラークコントロールによってはもっと高頻度で受診した方が良い場合もあるので、自身の口腔内を把握してくれている「かかりつけの歯医者」を決めておくと良いでしょう。

そしてそれよりも大切なのが、歯石がつかないように毎日の歯磨きを丁寧に行うことです。できれば歯間ブラシやデンタルフロスを併用して下さい。

歯科医や歯科衛生士は、歯石取りの際に、歯磨きの状態を確認しています。たとえ受診日にだけキレイに歯を磨いても、歯石の量や着色によって日頃のセルフケアの状態はだいたいわかってしまいます。

歯石取りや予防歯科で、歯医者に「歯磨き上手ですね!」と言われるような状態を目指して下さい。

そうすることで、歯石は付きにくくなってお口のことで悩む回数も減り、予防歯科に通うのも楽しくなるかもしれません。

当院では、予防を第一に考えた診療を行っています。歯石取りや予防歯科のご相談はお気軽にお越し下さい。

予防歯科の風景
この記事の編集・責任者は歯科医師の田中公之です。
DR田中

歯石取りについて

歯石取りの頻度は3〜4ヶ月に1回

歯石取りの適切な頻度は、一般的には3ヶ月に1回程度が良いとされています。

しかし、これは誰でもその頻度が良いというわけではなく、歯石が溜まりやすい人や歯周病が進行している人は2ヶ月に1度程度歯石取りをした方が良い場合もあります。

また、歯石がたまりにく人は4ヶ月に1度でも大丈夫だったり、お子様の場合は半年に1回でも良い場合もあります。

つまり、歯石取りの頻度は、一概に3ヶ月に1度が良いというものではなく、その人の年齢や歯磨きの状態によって異なります。

あなたがどれぐらいの頻度で歯石取りを行うべきかを正しく知るためには、かかりつけの歯医者さんや歯科衛生士と相談してみてください。

歯科衛生士による歯石取り

歯石が付きやすい場所

歯石が付着しやい場所は、人によって歯磨きの仕方が異なるため一概には言えませんが、一般的には唾液腺が近いところに付着しやすいとされています。

そして歯石は歯と歯茎の境目から積もるように付着していきます。

  • 上顎 奥歯(5・6・7番あたり)の頬側(外側)
  • 下顎 前歯(1・2・3番あたり)の舌側(内側)
歯石が溜まりやすい場所の図解

歯石が付着する理由

そもそも、どうして歯石は歯に付着するのでしょうか。

歯石のそもそもの原因・始まりは「歯垢(プラーク)」です。プラークは口腔内の細菌が出る代謝物や産生物の塊で、白くてネバネバした付着物で、よく食べかすをプラークと勘違いする人もいますが、これは別物です。

食べかすはうがいなどで簡単に洗い流せますが、プラークは歯の表面に付着しているためうがいをしても落ちません。

このプラークは食後24時間以内に形成され、約2日ほど経過すると歯石になります。つまり、歯石が歯に付着するのは、このプラークをしっかり磨き落とせていないことが原因となります。

プラーク
歯石

歯石を取らなければどうなる?

歯石自体は、石灰化しているため、細菌そのものではありません。しかし、歯石の表面はザラザラしていて汚れがつきやすく、細菌が繁殖する格好の場所となってしまいます。

細菌が繁殖すると新たにプラークができ、虫歯や歯周病の原因となる菌がお口の中で繁殖していきます。つまり、虫歯や歯周病のリスクが高くなるということです。

特に、歯石がたまることで進行しやすくなるのが歯周病です。歯周病は重症化すると歯茎が痩せ、歯を支える骨さえも溶かしてしまう怖い病気です。そして最後には歯を支えることができなくなり、歯を失うことになってしまいます。歯周病は、日本人の歯が抜ける1番の原因です。(※1)

そして、歯周病は全身疾患とも関わりの強い病気で、糖尿病や心臓病、認知症などの全身疾患のリスクを高めることもわかってきています。

※1)抜歯の主原因別の割合。最も多かったのは歯周病(37.1%)で、次いで、う蝕(29.2%)、破折(17.8%)、その他(7.6%)、埋伏(5.0%)、矯正(1.9%)の順であった

定期的な歯石取り

歯科医院での歯石の取り方

歯科医院で歯石を取る場合、スケーラーという特殊な刃物のような器具を使って歯石を取り除きます。これをスケーリングといいます。

現在では、超音波スケーラーという超音波を使った電気振動によって歯石を破砕・剥離させる方法が一般的で、超音波スケーラーで取り切れなかった歯石を、ハンドスケーラーで取り除いていきます。

また、歯石には歯茎の中にできる歯周ポケットに溜まる「縁下歯石」というものがあります。

これを取り除くには、スケーラーを歯周ポケットの中に差し込んで、歯の根に付着した歯石を削ぎ落としていきます。この処置をスケーリング・ルートプレーニング(SRP)と言い、SRPは痛みを伴う処置となるため、局所麻酔下で行うことが一般的です。

歯石取りの3D画像

自分で歯石は取れる?

歯石は自分では取れない」とは言いますが、実際は取ろうと思えば取れます。最近ではネット通販などでも歯石取りのグッズが販売されています。

ただしこれは、全ての歯石を取ることはまず難しく、とても危険な行為であるということは覚えておく必要があります。

歯石取りを行う歯科衛生士は、歯石取りのトレーニングを積み、歯科知識も豊富です。それでも、ベテランになるまでは歯石を見落としたり、なかなか取れない歯石に苦しむこともあります。

その作業を目視もせずに技術を持っていない人間が行うのですから、当然失敗することもあれば、歯石を取り残すこともあります。

スケーラーというのは刃物のような道具です。当て方一つ間違えれば歯や歯茎を傷つけてしまいます。ですから、歯科医師や歯科衛生士ですら自分で歯石を取ることはまずありません。

歯科医の視点から言わせていただくと、歯石取りは歯科医院で行うことが望ましいです。

歯石取りの道具

歯石を付けないためには

歯石を付けないようにするためには、自身で落とすことができる歯垢(プラーク)のうちに除去することが重要です。

その方法やはりセルフケア・歯磨きになりますが、歯磨きだけではどれだけ頑張っても全てのプラークを取り除くとができません。

しかし、歯間ブラシやデンタルフロスという、歯磨きの補助グッズを使うことで、より多くのプラークを取り除く事ができます。

また、歯磨きにはどうしても癖や習慣により個人差が出てきます。そのため「よく磨けているところ」「磨き残しがあるところ」という傾向が現れます。

この歯磨きの傾向を正してくれるのが、歯科(医師)衛生士による歯磨き指導(TBI)です。TBIを受けることで、磨き残しをしにくい歯磨き方法を身につけることができます。

歯磨き指導の様子

適切な歯石取りの頻度

自分の場合の歯石取りの頻度は?

歯石取りの頻度は歯や歯茎の状態、年齢などによって異なります。そのため、自分自身の歯石取りの頻度が何ヶ月に1回が適切なのかは、わからないかもしれません。

概ね、10代〜40代で歯周病の傾向がなければ3ヶ月に1回が良いとされる場合が多いです。ただし、これらは年齢で決まるのではなく、プラークコントロールの状態によって決まります。

若くてもかかりつけの歯科医から「プラークコントロールが良くない」と言われるようでしたら、2ヶ月・1ヶ月に1回と、頻度を上げたほうが良いでしょう。

50代以上になると、歯周病による影響が口腔内に現れやすくなります。そのため、最低でも3ヶ月に1度は代わりませんが、1〜2ヶ月に1度程度行ったほうが良い確率は高くなります。

子供の場合、歯がまだ生え揃っていない場合は半年に1度程度でも大丈夫ですが、ある程度歯が生え揃ったら4ヶ月に1度程度はお口の状態をチェックした方が良い場合が多いです。

いずれにしても、自身のお口の状態によって頻度は異なりますので、歯科医の判断に委ねることが大切です。

歯科検診の様子

まとめ

歯石取りは、3ヶ月に1度は行うことが望ましいです。ただし、プラークコントロールによってはもっと高頻度で受診した方が良い場合もあるので、自身の口腔内を把握してくれている「かかりつけの歯医者」を決めておくと良いでしょう。

そしてそれよりも大切なのが、歯石がつかないように毎日の歯磨きを丁寧に行うことです。できれば歯間ブラシやデンタルフロスを併用して下さい。

歯科医や歯科衛生士は、歯石取りの際に、歯磨きの状態を確認しています。たとえ受診日にだけキレイに歯を磨いても、歯石の量や着色によって日頃のセルフケアの状態はだいたいわかってしまいます。

歯石取りや予防歯科で、歯医者に「歯磨き上手ですね!」と言われるような状態を目指して下さい。

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歯石取りの頻度は何ヶ月ごとがベスト? | 公開日: 2024/07/09 | 更新日: 2024/09/26 | by アップル歯科尼崎駅前

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