「この歯に膿がたまってるんで、抜かないとダメですね」
そう言って抜歯になってしまった方も、少なからずいらっしゃると思います。あるいは、抜歯とまではいかなくても、歯に強い痛みを覚え、歯の根に膿がたまったという診断を受けた方は少なくないと思います。
では、なぜ歯に膿がたまるのでしょうか?なぜ抜歯が必要なのでしょうか?この記事では、そういった疑問にお答えしていければと思います。
原因として一番多いのは、“根尖性歯周炎”という状態になってしまうことです。
図Aのように、過去に根の治療を行なった歯(たまに過去に根の治療を行なっていない歯でも)は、何らかの原因で再感染し、歯の根の先に細菌がたまって膿が出てきてしまうのです。
結論から言うと、きちんとした器具、材料、設備、手段を用いれば非常に高い確率で治療できます(精密歯内療法や自費根管治療と呼ばれます)。以下は、過去に根の治療を行なった歯の再治療における成功率です。(参考文献1を参照)
再根幹治療約70%
根尖破壊再根管治療約40%
一見成功率は低く見えるかもしれません。しかし、これに外科的歯内療法といって、“感染した根っこの先端を切除する”という治療を組み合わせると、成功率は80~90%まで上昇します。これだと成功率は高く感じます。ただし、外科的歯内療法に関してはマイクロスコープという専門の器具を使った場合にこの成功率になります(参考文献2を参照)。つまり、ほとんどの症例で根の治療は成功する可能性があります。
参考文献2
参考文献2
“膿がとまる”=”その歯が残る“というわけではなく、それはまた別の話になってきます。根管治療は、歯は根の治療を行なった後に土台を立て、被せ物をいれることで歯として機能させることができるのです。
例えば、図1のような歯があります。これは虫歯が原因で歯の部分が大きく損なわれています。これでは根っこの治療をして膿は治せても、この上に被せ物をしていく事ができません。
また、歯の根っこの長さも重要です。歯の被せ物の長さと根っこの長さは、基本的には歯の根っこの長さの方が長くないと予後が悪いと言われています。短い根っこに長い被せ物が入ると、頭でっかちになって足元がフラフラしてしまうイメージですね。
つまり繰り返しになりますが、総合的に診断を行い、膿は治せるけれど被せ物を入れることが出来ない、となった場合、歯としての機能を取り戻せない場合、歯を抜かないといけないということはよく起こります。
また膿が出てる原因の1つに「歯の破折」があります。文字通り歯が割れてしまっている状態で、割れ目から細菌がとめどなく侵入するため歯を抜かない限り治ることはありません。これは主に、歯の根の治療の繰り返しなどで歯質が弱くなったり、神経を失ったことで栄養が行き渡らないために枯れ木のような状態になることで歯の根が割れやすくなったために起こることが多い症状です。
さらに、膿が出る原因として歯周病も考えられます。これに関しては、歯の治療というより歯石取り等の歯周組織の治療、クリーニング等が必要になります。
何が言いたいかというと、歯の根の治療は1回目がとても大事で、更にその際「器具、材料、設備、手段」の揃った根管治療を受けることでその成功率を高めることができるというこです。
ここで書いた「器具、材料、設備、手段」の揃った根管治療というのは、今の所保険診療で受診できるものではありません。そのため、どれだけ腕の良い歯科医師に頼っても、保険での治療というのはどうしても出来ることが限られてしまうものなのです。それでも、お金はかかっても歯を大切に使い続けたいという方は少なくありません。ですから当院においても精密歯内療法(自費根管治療)の受診を希望される方は少なくありません。
もちろん、保険による治療が悪いわけではありません。しかし、むし歯の治療で「神経を取る」となった場合、安易に「保険の範囲内で」と決めてしまわず、自分にとって歯がどれだけ大切なものかを一度考え、どんな治療をするか歯科医師としっかり話し合ってから検討しましょう。
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