不正咬合の種類の一つに「過蓋咬合」という咬み合わせがあります。人の口は「被蓋」と言って上の歯が下の歯を覆った状態が正常とされています。この被蓋が深く、下顎の歯のほとんどが見えないほど被さってしまった状態を「過蓋咬合」と言います。
過蓋咬合は下顎が小さく、笑うと前歯も見えやすいため「可愛く見える」場合もあります。
過蓋咬合は歯並び・咬み合わせの問題ですが、歯列矯正を希望される方の多くは「見た目」を気にされます。
そのため、過蓋咬合でも普段「カワイイ」「カッコイイ」と言われていると、わざわざ「矯正しよう」とは思わない方が多くいらっしゃいます。
しかし、過蓋咬合は歳を重ねるごとに様々な症状が現れる不正咬合ですので、本来は治療すべき咬み合わせであることを知っておく必要があります。
過蓋咬合は被蓋が大きく、深い咬み合わせになる不正咬合です。
詳しく言うと、前歯切縁の垂直的距離のことを「オーバーバイト」と言い、咬み合わせの深さのことを指します。このオーバーバイトは2〜3mm程度が適正とされていて、それ以上被さっていると「過蓋咬合」の症状が現れる恐れがあります。ご自身での判断は危険ですが、鏡を見て下の前歯が2/3以上被さっていれば過蓋咬合を疑いましょう。
過蓋咬合は、咬み合わせの特徴上、歯だけではなく顎にも負担がかかりやすい不正咬合です。
そのため、咬み合わせによる顎や歯への直接的なダメージだけでなく、筋肉を通して肩こりや頭痛などの不正愁訴にも繋がりやすい咬み合わせといえます。
過蓋咬合は、上顎の歯と下顎の歯の接触が多く強いため、徐々に下顎が動かしづらくなってきます。すると徐々に顎にダメージがたまり、やがて口を動かすと顎がカクカクする、音がなる、噛むと痛いなど、「顎関節症」の症状が現れはじめます。
過蓋咬合は深く噛んでいるため、歯が磨り減ったり割れたりするリスクがあります。体重ぐらいとも言われる咬合力が歯にかかりやすいため、奥歯はその力を強く受け、前歯は歯だけでなく歯茎まで傷つけることもあります。
食物を噛む咀嚼運動や飲み込む運動がうまくできなくなったり、声がこもって聞こえにくくなることもあります。また、歯が磨り減るほど咬み合わせは深くなるため、症状はどんどん悪化する恐れがあります。
過蓋咬合は出っ歯やガミースマイルを伴うことが多い咬み合わせでもあります。また、長年深く噛みしめることにより上顎前歯が下顎前歯に突き上げられることで後天的に出っ歯が進行することもあります。
そもそも過蓋咬合になる原因は、骨格的な問題と、後天的に顎の成長に問題がある場合があります。
骨格的な問題は遺伝などがあげれられます。両親のどちらかが過蓋咬合の場合は、その子供にも遺伝します。ただし、両親のどちらかが「過蓋咬合」であると判断するのは素人目では難しいことでもあります。また、両親が矯正で過蓋咬合を治療した可能性もあるかもしれません。調べるにはイーッとしてもらって、下顎の前歯がどの程度出ているかを見るか、顎関節症の症状の有無などを聞きましょう。
後天的な場合は、下顎が上顎に比べて正しく成長しなかったことが原因です。これには、食物の偏り(柔らかいものばかり食べていた)や、咬唇癖(唇を咬む癖)・吸唇癖(唇を吸う癖)という口腔悪習癖が原因となることがあります。また、何らかの原因で前歯が高くなったり奥歯が短くなるなど、歯の形や大きさによっても過蓋咬合になることがあります。これらは、乳歯の生え変わりの失敗・乳歯の虫歯・食いしばり等によって起こることがあります。
残念ながら、過蓋咬合は自身で治すことはできません。過蓋咬合は被蓋という歯の覆い方の問題ですので、ご自身で何かをしたからといって引っ込んだり治ったりするものではありません。
無理やり咬む位置を変えようとしたり、自身で歯を削ったりすことで咬む高さを調節することは危険ですので絶対にやめましょう。
ただし、お子様の場合はまだ顎が成長段階のため、食事や悪習癖の改善により、下顎が成長する場合もあります。もちろん、食事も習癖も改善することは大切ですが、それでも咬み合わせについては、歯科医師に相談することをおすすめします。
過蓋咬合は歯列矯正で改善させることが可能です。過蓋咬合の矯正治療による歯の動かし方は、歯を斜めに傾ける「傾斜移動」・歯を寝の方に沈める前歯の「圧下」・歯を根の方から引き出す「挺出」のいずれかもしくは組み合わせで、奥歯と前歯を正常な位置で噛み合うように治療します。
例えば、上顎前歯を圧下し、下顎前歯を唇側(前)に傾斜移動することで前歯の接触位置が変わり、下顎臼歯を挺出しながら頬側(外側)に傾斜させることで下顎が広がります。こうすることで、被蓋が小さくなり、歯の接触位置が変わり、過蓋咬合が改善されます。
ただし、特に圧下は時間を要すため、過蓋咬合の矯正は時間がかかる場合があります。
過蓋咬合の患者様です。奥歯が両側とも補綴(被せ物)になっているのがわかります。過蓋咬合は奥歯への負担が強くかかってしまい、奥歯がすり減ったり割れたりするリスクが高くなります。
Before
Before
Before
過蓋咬合は咬み合わせが深いことにより、上顎前歯が下顎前歯に覆いかぶさっていることにより、下顎が前後する動きが制限されたり圧迫されることにより顎関節症を誘発する場合があります。すべての過蓋咬合の方がそうなるわけではありませんが注意が必要です。
治療の内容 | マルチブラケットによる歯列矯正(矯正用スクリューアンカー1本使用)と補綴による総合治療。 |
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期間・回数 | 3年3ヶ月・35回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:マルチブラケットシステム(ワイヤー矯正・クリアブラケット)+矯正用ミニインプラント✕1本+メタルボンド✕1歯+セラミックインレー✕2歯 総額 1,135,000円(税込1,248,500円)(調整料28回分含む) |
リスク・副作用 |
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そもそも過蓋咬合になる原因は、骨格的な問題と、後天的に顎の成長に問題がある場合があります。
骨格的な問題は遺伝などがあげれられます。両親のどちらかが過蓋咬合の場合は、その子供にも遺伝します。ただし、両親のどちらかが「過蓋咬合」であると判断するのは素人目では難しいことでもあります。また、両親が矯正で過蓋咬合を治療した可能性もあるかもしれません。調べるにはイーッとしてもらって、下顎の前歯がどの程度出ているかを見るか、顎関節症の症状の有無などを聞きましょう。
後天的な場合は、下顎が上顎に比べて正しく成長しなかったことが原因です。これには、食物の偏り(柔らかいものばかり食べていた)や、咬唇癖(唇を咬む癖)・吸唇癖(唇を吸う癖)という口腔悪習癖が原因となることがあります。また、何らかの原因で前歯が高くなったり奥歯が短くなるなど、歯の形や大きさによっても過蓋咬合になることがあります。これらは、乳歯の生え変わりの失敗・乳歯の虫歯・食いしばり等によって起こることがあります。
冒頭でも説明したとおり歳を重ねると症状が現れ始める咬み合わせです。そして顎関節症になりやく、なってしまうと矯正治療に踏み切りにくくなってしまいます。
ですから、もし歯科検診などで「過蓋咬合」や「ディープバイト」、「咬み合わせが深い」と言われたら、よろしければ一度歯列矯正をご検討頂いたほうが良いかもしれません。
もちろん、矯正治療をする・しないは患者様の判断ですが、この記事を見ることによって「将来的に歯を守る」ための一助なれば幸いです。
過蓋咬合は叢生や上顎前突・下顎前突に比べ、見た目的にそこまで悪くない場合も多々あります。しかし、30代・40代からその咬み合わせの影響が出始め、矯正を始める人が多くなる咬み合わせでもあります。
矯正治療に年齢制限はありませんので、もちろんいつから矯正を始めても良いのですが、本当は若い内に矯正をしていただいたほうが歯が動きやすかったり、キレイになった歯並びで過ごす期間が長くなるので、早いに超したことはありません。
「本当に矯正した方が良いのか」「自分は過蓋咬合なのか」「将来的にリスクはあるのか」など、気になるようでしたら、お気軽に「矯正相談」をご利用ください。
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