歯が抜けてしまい入れ歯(義歯)になってしまった患者さん、長年入れ歯(義歯)を使用されている患者さんからこういった相談を受けることがあります。
みなさん理由は様々でありますが、共通しているのは入れ歯に対して悩みであったり不満を持っている方は少なくありません。
実際に入れ歯を使われている方はどのくらいおられるのでしょうか。
2016年歯科疾患実態調査では、何かしらの義歯(入れ歯・ブリッジ)を使っている人の割合は年齢とともに上がっております。そして義歯の種類別では、年齢が上がるにつれ、ブリッジ→部分入れ歯→総入れ歯とより大きな義歯を使用する状況が窺え、後期高齢者では約50%の方が部分入れ歯を使用しており、約30%のの人が総入れ歯を使用しています。
こういったデータからも合わない入れ歯で困っておられる方はこの記事を読まれているあなただけではなく大勢おられるのでは無いでしょうか。
※1)欠損補綴物の装着者は55歳以上で半数を超えた。装着された補綴物の内訳は、85歳未満ではブ リッジ装着者が最も多いが、そのピークは65歳以上70歳未満で約半数に見られた。85歳以上では 部分床義歯装着者と全部床義歯装着者が同程度に多かったが、これらの義歯は年齢階級が高くな るにつれて多く見られた。
ではそもそもなぜ入れ歯は合わなくなるのでしょうか?中には「この間作り変えたばかりなのにまた合わなくなってきた」と入れ歯の不具合を訴えてこられる方は相当数おられます。もちろん入れ歯自体が悪いこともありますが、他に原因があることも多々あります。
入れ歯が合わなくなる理由は大きく分けて3つ考えられます。
入れ歯はそもそも歯茎に吸着する様にできています。
しかしながら時間をかけて折角ぴったり作ったはずの入れ歯も歯の喪失や歯周病、骨粗しょう症等が原因で本来であれば歯を支えていた部分である歯槽骨と呼ばれる顎の骨が減り、それに加えて歯茎も痩せていってしまい段々と入れ歯と歯茎の間に隙間ができることで、入れ歯が外れやすくなったり入れ歯が歯茎に当たることで痛みが出る様になります。
入れ歯には総入れ歯と呼ばれる歯茎を全て覆うタイプのものと、部分入れ歯と呼ばれる歯を失った部分だけに入れ歯を入れるタイプのものがあります。
部分入れ歯は残っている歯に金属のフックを掛けることで入れ歯を安定させる方法になり、きちんと設計して治療をすればしっかり噛めて長期に使える治療法になる可能性がありますが、構造上欠損部分の歯茎と残っている歯により噛む力を支えるので、ものを食べた時に欠損部分の歯茎と残っている歯へかかる噛む力のバランスが崩れてしまうと、現在ある歯だけに強いダメージがかかってしまい歯はぐらぐら揺れ最後は抜けてしまいます。
入れ歯は一般的には歯科用レジン(プラスティック)の材料で作ることが一般的で、日常的に使っていくことで材料自体が劣化・破損・すり減り・匂いがついたりしてきます。 こうなることで噛み合わせが悪くなったり、違和感が増すことで必然的に入れ歯は合わなくなってきます。
また、入れ歯は乾燥に弱く、乾いたまま保管していると変形や歪みができて、フィットしなくなってしまいます。保管がきちんとできない方や、メインテナンスを怠ってしまうと入れ歯は傷んでしまいます。入れ歯は経年による劣化以外にも、メインテナンス不良で劣化してしまうこともあるデリケートな義歯と言えます。
こういった3つの理由から入れ歯が合わないといったトラブルが発生するわけです。
では入れ歯が合わなくなってしまった場合、そのまま悩みを抱えながら合わない入れ歯を使っていくか、それとも何度も調整を続けながら入れ歯を使っていくしか無いのでしょうか??いえ、そんなことはありません。他に目を向けると選択肢はあります
入れ歯以外の選択肢として説明を受けるのはインプラントかブリッジになります。入れ歯を含めて、比較してみましょう。
ブリッジ治療は、なくなってしまった歯の両脇の歯を土台として、橋(bridge)のように歯が無いところを補う治療法になります。保険で治療ができるというメリットがある反面(白い歯は自由診療)、ブリッジ治療をするには最低2本の歯を大きく削らなければなりません。もし支台になる歯が虫歯のない健康な歯であったとしても、かなりの量を削ることになってしまいます。
インプラント治療は歯が無いところに対して、骨にチタン性の根を埋入しその上に人工的な歯を立てピンポイントで噛めるようにする治療になります。周りの歯への負担がなく、自分の歯に近い機能・見た目の回復が期待できるというメリットがある反面、外科手術の必要性、患者さんの全身疾患の影響を受ける、自費治療のため高額な医療費となるデメリットもあります。
入れ歯治療は失った歯の代わりに床と呼ばれる粘膜との接着面や、クラスプという残った歯にひっかけて義歯床を固定する針金のようなものを使って代替えの歯を支える治療です。食事のたびに取り外して清掃が必要で、見た目の問題もありますが、治療期間が短く保険診療内での治療が可能なため、費用の負担が少なく済むというメリットもあります。
インプラントで欠損部の治療を行うと、入れ歯のように歯茎が痩せていくこともなければ、ブリッジのように周りにある健康な歯を削る必要もありません。なので歯茎に痛みが出ない様にしたい、違和感をなるべく無くしたい、つけ外しの煩わしさから解放されたいということでしたら客観的に見たらインプラントを選択せざるを得ないのかも知れません。これは筆者の私見ですが、私自身自分の家族や大切な人が同じ状況であれば、身体に問題がなければインプラントを勧めます。しかしながらインプラントは外科手術のイメージや、トラブルが多い様な風潮があることから怖いと感じてしまい易いです。
とはいうものの、すべての人においてインプラントが良い選択とは限りません。前述したように外科処置が苦手な方には治療自体がストレスになりますし、インプラントもインプラント周囲炎や脱落などのリスクがあるなど、完全な治療とは言えません。費用の問題もあるので無理をしてまでインプラントにした方が良いかどうかはご自身の判断に委ねられます。だからこそ担当医と十分に相談し、納得した上で治療を受けることが何よりも重要であると考えます。どんな治療方法にも当然メリット・デメリットがあります。あなたにとって、何が重要かをよく考え、失った歯の代替え方法を選んでください。
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